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期待リターンとリスクの本当の姿
こんにちは。
広島のファイナンシャルプランナー、金融教育研究所の佐々木裕平です。
資産形成において、しばしばリターンとリスクという言葉が登場します。
これはいったい、何を意味しているのでしょうか。
リスクとは、予想収益率の標準偏差
リスクとは、予想収益率の標準偏差です。
ここでの標準偏差とは、リターンのバラつき(分散)具合の塊のことを意味します。
予想収益率とは、このくらいの幅で触れるのではないか、という予想です。
すなわち、リスクとは統計的に考えた場合の、予想収益率の標準偏差のことを意味します。
そのため、資産形成において、リスクとは標準偏差を差すことが一般的です。
リターンとは、予想収益率の平均値
それではリターンとは何でしょうか?
リターンとは、実は、先ほどの予想収益率の標準偏差の中で、もっとも発生確率(確率密度)の高いところを意味します。
すなわち、資産形成におけるリターンとは、リスク(標準偏差)の中の、もっともよく起こりそうなところ、を意味します。
そのため、資産形成において、リターンとは、期待リターンを意味します。
なぜ資産形成では標準偏差のことをリスクと呼ぶのか?
さて、ここで疑問なのは、なぜ資産形成においては、標準偏差という、立派な名称があるのに、リスクと呼ぶのか、というところです。
リスクはいわば標準偏差の別名であり、しばしば危険性と訳されます。
この点に関しては、おそらくですが、人が損失回避的な考え方をするはずだ、という経済学上のモデル(エコン・ホモエコノミカス)がいるためではないでしょうか。
一般的に地球人は損失が嫌い、ということになっています。
そのため、損(同時に得)をする可能性である標準偏差については、否定的な考え方をします。
と同時に「やっぱり標準偏差なんて読みにくいわい! 嫌な存在じゃけえ、呼び名はリスクでええやろ!」という考え方もあるのかもしれません。
ちなみに先物取引などの、「値動きの振れ幅が大きい方が儲かる、好き」という考え方をする分野では、標準偏差=リスクのことを、標準偏差=ボラティリティ(ふわふわ)と呼びます。
リスクというのは、とても面白いものですね。
それではまた。