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国際分散投資(世界への投資)には、為替リスクがつきもの
こんにちは。
金融教育研究所の佐々木裕平です。
合理的な資産形成・運用を考えると、世界全体への分散投資が視野に入ってきます。
ところが外国の資産での運用を考えると、為替リスクが出てきます。
為替レートとは、異なる2通貨の交換比率
為替リスクとは、ざっくりいいますと、為替が変動することによって生じる価格変動のことです。
乱暴に言うと、円安になると儲かりやすく、円高になると儲かりにくい、という形です。
ではこの為替レートはどのようにして決まるのでしょうか。
長期理論で見ると、購買力平価説(PPP)が考えられる
為替レートを考えると、見方を変えると円とドルの通貨の価値(購買力)の比率と考えられます。
これを購買力平価説(Purchasing Power Parity:直訳すると 購入する 力 等しい)といいます。
略してPPP! かっこいいですね(笑)。
でもいったい、どういうことでしょうか。
これは非常に乱暴に言うと、
同じ財(例えばハンバーガー)なら、日本円で買っても、ドルで買っても、同じものなんだから、価値は等しいよね! だから、理論上は、円とドルの関係(為替レート)は等しくなるように考えるよね!
ということです。
もちろんこの前提としては、輸送コストゼロ・移動が自由、そして長期ということが含まれていますが。
つまりこれは、(長期で考えれば)円の価値とドルの価値が、等しくなるように為替レートが決まるよね。
ということです。
これはいわゆる一つの無裁定理論(ノー・フリーランチ理論)ですね。
無裁定理論(ノー・フリーランチ理論)とはただ飯はないということ
資産形成を合理的に考える際に出てくる考え方の一つが、無裁定理論(ノー・フリーランチ理論)です。
どういうことでしょうか。
これはただ飯は食えない。うまい話はない、ということです。
なぜでしょうか。
例えば、仮に円とドルの2通貨間で、ドルを持った方が有利である、ここではとします。
つまり、ドルを持てば、ただ飯・うまい話がある、ということです(日本円をドルに換えるだけで儲かる)。
でもそうすると、理論上は(ヒトが賢いので)多くの人がそのドル(ただ飯)に群がります。
そうすると、あっという間に、ドルのうまみ(さや取り)はなくなります。
どのくらいまでなくなるでしょうか。
それは円とドルの価値が等しくなるまでです。
まあ、よく考えれば当たり前ですね。
購買力平価説と無裁定理論(ノー・フリーランチ理論)が正しければ、外貨のうまみはなくなる
つまり、二国間の物価水準の比と為替レートは等しくなります。
これを絶対的PPPと呼びます。
もうなんだか良く分かりません(笑)。
外貨建ての預金や保険であっても、有利ではない、ということ
仮に上記の購買力平価説(PPP)と無裁定理論(ノー・フリーランチ理論)が正しく機能しているのであれば、次のことが考えられます。
- 金利が高い(ように見える)外貨建ての預金は円の金利と同じ実力
- 金利が高い(ように見える)外貨建ての債券は国内債券と同じ実力
まあもちろん、理論と現実は乖離があるものですが。
また、短期と長期では異なります。
とても興味深い理論ですね。
それではまた。