こんにちは。金融機関から販売マージンなどを受け取っていない中立的なアドバイザーとして講演執筆活動をする佐々木裕平です。
いまから数十年すると、こんなお悩みを持つ人が多くなるかもしれません。
「NISAを続けて、数十年、いよいよ定年だ。この増えたお金、どうしよう?」
計算上ですが、毎月数万円を、社会人になった時から、65歳の定年まで、コツコツと
全世界株式インデックス型投資信託などに、つみたて投資をした場合、
6,000万円とか、8,000万円とかになっている可能性があります。
さて、このまとまったお金、どうしましょうか。
①65歳で投資を一切やめて、現金化して、毎月、10数万円ずつ、取り崩して生活していく
②65歳以降も投資を継続し、期待リターン内でお金を取り崩して生活していく
読者の方は、どちらがより望ましいと思いますか?
もちろん答えは、その個人個人が決めることではあります。
ただ、筆者は
①65歳で投資を一切やめて、現金化して、毎月、10数万円ずつ、取り崩して生活していく
は危険だと思っています。
なぜでしょうか?
それは、次のような理由からです。
- 資産が右肩下がりに減っていく
- 年齢を重ねるごとに不安感が募る
- (公的年金は物価上昇に対応できないので)インフレリスクにより、預貯金が実質的に価値が下がり続ける
- 何歳まで生きるのか、不透明だからこそ、不安が募る
つまり、長生きをするほどに、お金の不安が募っていくわけですね。
できれば、これは避けたいです。
もちろん、いまの価値観では「65歳で6,000万円とか、8,000万円とか、大金持ちじゃん」と思われるかもしれません。
でも、物価が2倍・3倍になる(かもしれない)長い数十年ある可能性のある老後では、そうはいきません。
物価が2倍になれば、8,000万円は4,000万円の価値しかありません。
その世界では、毎月20万円(現在価値で10万円)を取り崩していくと、400か月で資産は枯渇します。
33年くらいでゼロになります。
65歳からだと、98歳ですね。
十分? そうかもしれません。
でも、資産がゼロに向かって生活をしていくのは、けっこう不安だと思います。
筆者なら、
②65歳以降も投資を継続し、期待リターン内でお金を取り崩して生活していく
を選択します。
(ちなみにですが、いまは奇抜に聞こえるかもしれませんが、数十年後の世界では、
この考え方が「普通」 になっていると思います)
すると、このようにいいことがあります。
- 期待リターン内で取り崩すので、長期的に見ると、お金が大きくなっていく
- 毎月、しっかり使っても、お金が減らないようにできる可能性がある
- 医療の進歩で長生きをしても、大丈夫!
- 不安は募らない!
- 老後にも好きなことができやすくなる
- インフレリスクに、もしかしたら、対応できるかもしれない
怪しい・・・?
かもしれません。
ですが、数十年後の世界では、たぶん、公的な仕組みで、それができるようにサポートされていくと思います。
そこまで行くと、この国の年金問題から発生する不安も大きく解消される、かもしれません。