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すごいうまく行っても、すごい失敗をしても、繰り返すと平均に戻っていく傾向がある。それが平均への回帰
こんにちは。
金融教育研究所の佐々木裕平です。
長期での資産形成においては、平均への回帰(平均回帰性)という考え方が大変に重要です。
もちろんちっとも知らなくてもいいのですけど、面白い知識ですし、投資で失敗をしたくない人なら、知っておいても損はないと思います。
平均への回帰をわかりやすくいうと、平家物語
祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす。
うろ覚えですが、いつだったか学校の授業で習った気がします。
平家物語、というものらしいですね。
内容は「どんな勢いがある者でも、必ず衰える」という意味らしいです。
これもまた平均への回帰を意味しているのですね。
どういうことなのか?
例えば平家がすごいブイブイ(死語?)いわしていた時代には、「平家すげー」という時代だったわけですね。
それこそ、平家の世界はいつまでも続く、という世界だったのでしょう。
しかし、その過度に素晴らしい勢力は、時間経過とともに、やがて平均的なものへと移っていきます。(この場合は、参照点となる状態が過度に良かったので、衰えたように見える)
すごいダメな事態でも、繰り返すと平均へと回帰していく傾向にある
同時に、過度に悪い状態であっても、繰り返し行う(例えば、資格試験に落ちてもめげずに勉強する)と平均へと回帰する(平均点を取れる)ことが傾向として知られています。
これは経験論ではないのですね。
統計を取った場合、多くの分布に見られる性質です。
特にランダムに発生する分布、一峰性の正規分布のグラフ(左右対称な世界一有名なグラフらしい)にしっかりと見て取れます。
ランダムなものなのに、統計を取ると左右対称のグラフになるのが、不思議に思えますが、これは組み合わせ爆発という、非常に強力な「力というか、当たり前の現象」が働くためです。
身近なところで言えば、テストで悪い点・良い点をたまたま取ったとしても、その傾向が永遠に続くわけではありませんね。
続けて受けていけば、自分の実力(平均)に近い点が多く取れます。
これもまた平均への回帰ですね。
人生でも平均への回帰をしっかりと理解しておくことが重要かもしれない
ちなみにこの平均への回帰(平均回帰性)って、良い・悪いことがランダムに発生する人生においても重要だと思います。
起業や就職で大失敗をしても、それはその人が「呪われている」「ついていない人」なのではなく、たまたま悪い方の「目」が出てしまっただけなのかもしれないのです。
あきらめずに、新たに企業や就職をすれば、次第に本人の実力(平均)に近い成果が出ていくはずです。
少なくとも統計上は、そうなるはずです。
株式投資・資産運用でも平均回帰性の考え方は大事です!
そして資産運用でも平均回帰性の考え方は大事です。
コロナウイルスの影響で大きく株価は下がりましたが、やがて期待リターンは平均に戻っていきます。
これは長い目で見れば見るほどそうなります。
長い目で見れば「コロナウイルスの影響で世界的に株価が下がった時って、お買い得だったよね」とさえなります。
もっと長い目(例えば数十年)で見ると、あるいは数十年後の私たちから見ると「(過去であれば(当たり前ですが))いつ買ってもお買い得だった」となる可能性が非常に大きいと思います(もちろん分散が適切にできていて、適切な投資対象である場合)。
例えば今から数十年前の全世界の株式を見れば誰が見たって「過去はいつでもお買い得だった」と思うでしょう。
しかし、その現場・時代にいる本人たちは信じられないのかもしれません。
平均回帰性が理解できれば、人生も資産運用もより明るく前向きなものに変えることができるのかもしれません。
それではまた。