こんにちは。金融機関から販売マージンなどを受け取っていない中立的なアドバイザーとして講演執筆活動をする佐々木裕平です。
最近、というか新NISAの始まった2024年から特に強く感じることですが、一般の、本当に普通の人の金融リテラシーが向上してきている、と感じます。
弊所(金融教育研究所)の設立が2013年4月なのですが、当時はNISA制度というものすらありませんでした。
そのため、資産運用の公開講座を開いても、参加者の方のほとんどは資産運用未経験者の方が大半を占めていました。
また、2014年以降になっても、NISAやiDeCoといった税制優遇制度を使用されている方は、体感で10人中一人いるかいないか、という感じでした。
ところが、2024年後半ごろから、挙手で「NISAやiDeCoを始めている方はいらっしゃいますか?」
という質問に対して、6~7割の参加者の方が手を上げられるようになりました。
これは金融リテラシーの普及啓もう活動を続けてきたものとしては、とても嬉しいことです。
自然と最近の講演内容にも変化が起きます。
以前は、未経験者・初心者の方向けの内容が全体の半分以上を占める内容でした。
最近は、未経験者・初心者の方向けの内容は2~3割程度で、7~8割が中級者向けの内容となってきています。
もう、「ある程度のことは知っているのが当たり前」という人が増えてきているのですね。
特にお金の講演にわざわざ足を運んでくださる方には、金融リテラシーが高めの方が多いと感じます。
さて、問題です。
iDeCoとNISA口座に毎月合計4万円を置くと、40年後にはどうなりそう?Ⓐ1,900万円くらいⒷ6,100万円くらい
この問題、正解はⒷの6,100万円くらいです。
Ⓐの1,900万円くらい、という数字は金利が0.01%の銀行や郵便局の預貯金に毎月4万円を40年間、つみたて預貯金した場合の数字です。
一方のⒷの6,100万円という数字は、株式主体のインデックス型投資信託に毎月4万円を40年間積み立て投資して、(計算上)平均リターンが5%であった場合の数字です。
未来のことは不透明なので、あくまでも経済学上の共通認識である期待リターン(もっとも多く発生しそうな確率密度の高い数値)4~7%(年率)の中から、5%という数字を出しています。
もちろん毎年5%ということもないのですが、計算ができないので、便宜上、平均5%だったら・・・・・・。
という体で算出しています。
と、このような問題について「へー、そうだったのか」と思われる人が、減ってきている、とも思います。
これから先、金融リテラシーが高まるにつれて「そんなの常識じゃん。小学生でも知ってるよ」という時代に、これから急速になって行く気がします。
速ければ、10年後などにそのような世界になっているかもしれません。
とはいえ、やはり個人差があるので、知ってる層とずっと知らないままの層が生まれるのも事実です。
でも、そうするともったいないかもしれません。
私は、個人の金融リテラシーの向上が、主観的な幸福度のある程度の上昇(1割くらい)と、生涯にわたるお金に困らない能力に直結すると考えています。
できるだけ、多くの人の金融リテラシーの向上が図れることを期待しつつ、今後も頑張りたいと思います。