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無裁定理論と市場均衡理論の独り言
こんにちは。
金融教育研究所の佐々木裕平です。
金融経済学の世界には、無裁定理論と市場均衡理論という大きな二種類の理論があります。
そして、そのどちらでも、やはり効率的なポートフォリオは、市場平均である、となりそうです。
無裁定理論(ノー・フリーランチ理論)とは
無裁定理論とは、みんなが賢い世界・効率的な市場においては、「うまい話がない」ということです。
たとえば、自分だけが他の人よりも頻繁な売買で、上手に利ザヤを稼げたりはしないよね、ということですね。
現在の金融市場のように、インターネットや高度なパソコンのある世界では、一人勝ちは難しい、ということともいえるかもしれません。
市場均衡理論 CAPM(キャップエム)とは
また同様に、市場均衡理論でも、市場平均が最も効率の良いマーケット・ポートフォリオとなるようです。
こちらは先ほどとは異なり、需要と供給のバランスにより、そのようになるようです。
これは身近な大根やニンジンで考えるとわかりやすいかもしれません。
大根を仕入れても、それを1万円では売れません。つまり一人勝ちはできない。
需要と供給により、理論上の価格が形成されるわけですね。
市場における企業固有のリスクは、分散によりゼロに近づく
無裁定理論と市場均衡理論のどちらであっても、分散投資の合理性が分かるようです。
個別の企業の持つ株式の固有リスクは、一般的に「無意味なリスク」と考えられます。
この場合の無意味とは、「リスクプレミアムがつかない」という意味で無意味です。
ということは、その無意味なリスクはできるだけない方がいい、ということになります。
どうしたらいいでしょうか。
その答えが分散投資です。
多数の資産に十分に分散投資すれば、ポートフォリオの固有リスクはゼロに近づくということになります。
(もちろん市場リスクは残る)
そして、その最高の状態は市場平均にほぼ等しくなります。リスクが。
同じ期間、同じ金額で資産形成をするのであれば、できるだけ効率よく行うことが重要だと思います。
それではまた。