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市場が効率的な場合、期待リターンと要求リターンは等しくなる
こんにちは。
金融教育研究所の佐々木裕平です。
資産形成では、期待リターンと要求リターンという言葉がしばしば出てきます。
それぞれ、どのような意味合いなのでしょうか。
期待リターンとは、統計的に多く発生すると考えられる年率のリターン
まず期待リターンです。
私の認識では、一般的に期待リターンとは、統計的に考えた場合の言葉です。
つまり、統計的に、いまから一年後にリターンがどのくらい分散(ばらついているか)しているかの、もっとも高い発生確率・頻度の部分、そこが期待リターンである、という意味合いです。
ちなみに、このリターンのバラつきの範囲(1標準偏差)を一般的にリスクと言います。
要求リターンは市場(投資家)が要求するリターン
そして要求リターンとは、無リスク資産の金利(リスクフリーレート)+リスクプレミアムで表されます。
シンプルですね。
株式投資の場合の、リスクプレミアムとは、市場(投資家)が「これくらいの儲け(年率リターン)が望めるんやったら、買ったるでー」と考える%です。
一般的にリスクプレミアムは5~6%くらいじゃない? って言われています。
つまり、一年後の価格が100円の株式なら、そこから5~6%くらいのリスクプレミアムを割り引いた価格(95円くらいかな?)を、現在の理論株価にする、というところです。
つまり、現在のようにほぼゼロ金利の場合(そして金利平価説・購買力平価説にならせば)、世界中の株式に投資をした場合に、得られるリスクプレミアムは5~6%ではないか、ということですね。
期待リターンと要求リターンは等しい
そして、ここからが最高に面白い(私だけでしょうか?)ところです。
先ほどの、一見すると親戚程度? に見える期待リターンさんと、要求リターンさんは、市場が効率的な場合、「同一人物である」とも考えられるのです。
ワクワクしますね!
期待リターンから上下にリスクは同じように分布・分散します。
なぜか?
それは、期待リターンが、要求リターンだから、ではないでしょうか。
そうでないと、期待リターンとリスクがずれることになるのではないでしょうか。
また、要求リターンはリスクに応じてうまれるはずです。
ですから、要求リターンが期待リターンと同じになり、もっとも発生確率の高いリターンの分散こそが、期待リターンとなるのではないでしょうか。
それではまた。