こんにちは。
金融教育研究所の佐々木裕平です。
最近朝晩が少しずつ寒くなってきました。
こんな寒い日にはホットコーヒーがおすすめです。
さて、投資の運用方法として、テクニカル分析というのはおすすめなのでしょうか。
Contents
個人的にテクニカル分析はおすすめな投資方法ではなく、意味がないと思います
まず最初に個人的な見解としては、テクニカル分析にはそれほどの意味がないと思います。
ここでの意味がないとは、「未来の値動きはテクニカル分析ではわからない」という意味です。
そもそもテクニカル分析とはどのようなものなのでしょうか。
テクニカル分析・チャート分析とは
テクニカル分析とは、チャート分析とも呼ばれます。
テクニカル分析の特徴は次のようなもの
- すべての株価は、すべての情報を織り込んでいる
- だから過去の株価の動きなどを分析すると未来の値動きがわかる
このような感じです。
よく投資のイメージ映像で、グラフがカクカクと動いているイメージをご覧になったことがある人がいるかもしれません。
あんな感じの、折れ線やローソク足などと呼ばれるものの動きを見ると、未来の値動きもわかる、というのがチャート分析です。
人の脳は無意味なものに対しても、法則性を見出そうとするクセがある
ちなみに金融経済学などの学術書的な本では、テクニカル分析・チャート分析に対しては、筆者同様に否定的です。(だから筆者も否定的なのです)
さて、チャート分析といえば、過去の値動きの形を分析して、未来の値動きを当てよう、というスタイルもあります。
- ヘッドアンドショルダー
- ボックス相場
- トリプルボトム
などです。
しかし、重要なことは、金融経済学の分野では、一般的に株価などはほぼランダムウオーク理論に沿うだろう、と考えられるということです。
どういうことでしょうか。
つまり、株価というのはチャート分析でいわれているような法則性がなく、でたらめな動きをするものだ、ということです。
そして、でたらめな動きにも関わらず、私たちニンゲンは法則性があるようにかんがえてしまう、という癖があります。
これは筆者にも経験があることですが、例えばコロナショック真っただ中ですと、ついついチャートを見て、そろそろ反転するのでは? まだ下がるのでは? とアレコレ考えてしまいます。
しかし次の瞬間の値動きはやっぱり理論上はほぼランダムなのです。
にもかかわらず、私のような平均的ニンゲンは「なんかこの値動きには意味や法則性がある気がする」と無意識にも考えてしまうのですね。
ランダムウオークを人工的に発生させても、まるで法則性があるかのように動いてしまう
そして面白い実験としては、人工的にコンピューターで発生させたでたらめな値動きのグラフもまた、人間が見ると「なんか法則性があるかのように見える」または「よく見ると法則性がある」と勘違いをしてしまいます。
法則性があるかのように見えるチャートの動きも、統計を取ると正規分布する
また、少しマニアックなお話ですが、世の中のでたらめな動きをするもの、人類の身長の分布やさやえんどうのサイズの分布、お天気など
- ランダムな動きをするものは統計を取ると正規分布(左右対称のグラフ)になる
ということが知られています。
では、一見して法則性の見える株価などの値動きを統計(観測数を増やす)的に見てみると、どうなるでしょうか。
- 株価の値動きも左右対称な正規分布のグラフになる
- つまり株価はランダムウオーカーである
となります。
ちなみにチャート分析は必ず外れるわけではありません。
ランダムウオークなのですから、偶然当たるということが起こりえます。
しかしそれはチャート分析・テクニカル分析が有効である、とはイコールではないのですね。
じつに面白いですね。