投資家の要求リターンと期待リターン
こんにちは。
広島のファイナンシャルプランナー、金融教育研究所の佐々木裕平です。
今日は投資家の要求リターンと期待リターンについて、少し見てみましょう。
いわゆる「正常なリターン」とは、市場(投資家)の要求するリターンのことです。
これを要求リターンと呼びます。
この投資家の要求リターンは以下のように表されます。
- リスクフリー・レート(預貯金や長期金利)+リスクプレミアム=要求リターン
とてもシンプルです。
一般的に株式のリスクプレミアムは5~6%程度ではないか、と言われています。
つまり、現状の個人向け国債などの長期金利がほぼゼロなので、
ほぼ0%+5~6%=要求リターンは5~6%というところでしょうか。
もちろんこれは長期的に観測した場合の可能性ですが。
では期待リターンが何かといえば、この要求リターンとほぼ同じになる、と私は考えています。
期待リターンは、リスクの本質である標準偏差における、もっとも多く発生するであろうと期待されるラインを期待リターンとも呼ぶ、という考え方もあります。
これは、期待リターンを中心に、上下に同じように、リスクが正規分布する、ということです。
また、長期で見ると、標準偏差は期待リターンを中心に正規分布すると思われます。
だから期待リターンはリスクから生まれる、ともいえるかもしれません。
でも、でもですね。
同時にこうも考えられます。
期待リターンは投資家が要求するリターンからできている。
だから将来の価格から5~6%割り引いた価格が理論上の価格になる。
だからこそ、そのラインこそが、要求リターンこそが、期待リターンになる、そして、リスクとは、その前後に対して上下に同じようにばらつく(分散する)だけ、とも考えられます。
たぶんですけど、現代の証券投資論、金融経済学ではそう考えているのだと思います。
違ったらごめんなさい(笑)。
つまり、
- 需要と供給からも期待リターンとリスクは決まる。
それと同時に、
- 投資家の要求リターンがあるからこそ、統計的な期待リターンとリスクも生まれる。
つまり、二つの考え方は、コインの表と裏のような存在で、どちらも正しい・・・・・・のかもしれませんね。
それではまた。