こんにちは。
金融教育研究所の佐々木裕平です。
不動産を証券化し、それを投資信託にしたものが存在します。
その不動産投資信託をJ-REIT(ジェイリート)と呼びます。
おおざっぱに言うと、そのJ-REIT(ジェイリート)不動産市場の値動きを見ると、国内の不動産市場の様子が分かります。
さて、そんなJ-REIT(ジェイリート)ですが、現在、非常に高値です。
具体的には、およそ12年ぶりの高値圏にあります。
12年前と言えば、なにがあったでしょうか。
2008年がリーマンショックによる世界同時金融危機がありました。
12年前とは、その前年の2007年の、非常に好調な時です。
つまり、国内の不動産市場は、およそ12年かけて元の水準に戻ったともいえます。
また、見方を変えれば昔を上回ったともいえます。
なぜでしょうか?
その理由は、大きく二つあるといわれています。
- 金融機関のお金がJ-REIT(ジェイリート)に流れ込んでいるから(マイナス金利下なので、お金の貸し借りだけでは金利が稼げないので、利回りの高いJ-REIT(ジェイリート)にお金が流れ込んでいる)
- 日本の中央銀行である日本銀行がJ-REIT(ジェイリート)を買い続けているから(金融危機後の2010年以来、およそ5500憶円のお金でJ-REIT(ジェイリート)を買っています)
これって「J-REIT(ジェイリート)バンザイ!」な状況です。
……が、これってどこかで見た構図です。
私はうっすらと1990年のバブル崩壊前の日本の様子を思い浮かべます。
現在のように、大量のお金がJ-REIT(ジェイリート)に流れ込んでいる状況は、とても良いことであると同時に、不動産価格の高騰を招きます。
それは、長い目で見れば、バブルと呼ばれる現象かもしれません。
景気は循環する性質を持っていますし、平均に回帰するという性質も持っています。
それを考えた場合、このお祭り騒ぎは永遠には続かないとも思います。
やがて、国内の不動産価格は一気にしぼむ可能性もあります。
このような文章を、2017年末ごろにも書きました。
その時はJ-REIT(ジェイリート)ではなく、ビットコインバブルに対する警鐘として書きました。
その時の予想は、的中しました。
ビットコインはバブルであり(生産に参加していない資産なのでそもそも投機ですが)、価値は大幅に下落しました。
今回のJ-REIT(ジェイリート)の価格高騰がバブルかもしれないという記事の予想が、当たらないことを願います。