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行動経済学とは? 極端回避性についてわかりやすく具体例を交えながら見てみましょう
今回は、極端回避性について見てみたいと思います。
極端回避性をわかりやすく言うと、「極端なものを避ける」というものです。そのままですね。
飲食店を一例に挙げて見てみましょう。
飲食店のメニューで松竹梅というものがあります。
一般的に、ランキング順位は
- 松
- 竹
- 梅
という並びになります。
お値段の一例を挙げると、
- 松3000円
- 竹2000円
- 梅1000円
という形です。もちろん、一例です。
極端回避性とは? 真ん中が欲しくなる? 行動経済学具体例
- 松3000円
- 竹2000円
- 梅1000円
さて、あなたがお客さんだった場合、上記のメニューのうち、どれを注文したいでしょうか。
一般的に、この場合。竹2000円が多く選ばれることが知られています。
なぜでしょうか?
それは、人が極端回避性と呼ばれる性質を持っているからかもしれません。
多くの人の気持ちとしては、
「松は3000円で高すぎる」
「梅は1000円で安いけど、安すぎて不安」
「じゃあ、中間の竹2000円にしようか」
という気持ちが働くのかもしれません。
自動車会社の戦略? 行動経済学の極端回避性をビジネスに生かすなら?
それでは、このような行動経済学の極端回避性をビジネスに生かすにはどうしたらいいでしょうか?
ここでは自動車会社で見てみましょう。架空のお話です。
「社長! 新しい車のタイプAとBが売れてるんですけど、赤字ギリギリです!
性能はいいのですが、どういうわけか、安いグレードのBグレードのものしか売れなくて、
採算の良いAグレードが売れないのです! 」
ここは自動車会社の会議室。どうやら新車は人気があるようですが、高いグレードのAグレードが売れなくて、赤字になりそうな様子です。
「うーん、困ったぞ。どうにかして、採算性のよいAグレードを売れ筋商品にしなければ・・・」
そんな時、社長の頭にひらめきが浮かびました!
極端回避性を利用して、Aグレードを売れ筋商品にする方法 わかりやすい行動経済学具体例
「そうだ! Aグレードの上に、スペシャルグレード、Sグレードを設定するんだ!」
「ええ? 社長! 正気ですか! そんなことしたら、またコストがかさみます!
それにそんな高いSグレードなんて売れませんよ!」
あわてる社員をよそに、社長は指示を下します。
「構わん! コストをかけてでも、Sグレードを作れ! 価格はAグレードよりも百万円高い設定にせよ!
パンフレットもS・A・Bの3種類のグレード表記に作り替えろ!」
こうして、社長の鶴の一声でS・A・Bの3種類のグレードが誕生しました。
極端がイヤだから、中間になったAグレードが一番人気になる 分かりやすい行動経済学具体例 極端回避性について
それから一か月後、再び会議室です。
「社長! 売れ筋がAグレードになり、採算性が急激に良くなりました!
でも、なぜなのでしょうか? Sグレードが売れているわけでもなく、Aグレードに至っては、モデルチェンジもしていないのに」
その報告を聞いて、社長はニンマリ。
「そうだろう。今まではAとBの二つのグレードしかなかったから、安い方のBグレードに割安感が強く感じられていたんだ。
そして、一方、採算性の良いAグレードは割高であまり人気がなかった。
しかし! そこに百万円もAよりも高いSグレードを投じたら・・・どうだ!
多くの人は、Bでは安くて不安で変えず、
Sでは割高で買えない。
そこで、中間のAグレードがとても魅力的に見える! というワケだ。じっさい、その通りになっただろう!」
「さすが社長! これでわが社も安泰ですね!」
「ガッハッハッハ!」
おしまい。
極端回避性は良くも悪くも使われているかも 行動経済学具体例・極端回避性 まとめ
このように、極端回避性を上手に使えれば、ビジネスでも売り上げを上げることができるかもしれません。
また、消費者としては、本当にお得なモノはどれなのか?
無意識のうちにも、割高な方に誘導されていないか?
ということを、逆に意識してみると面白いかもしれませんね。