こんにちは。
金融教育研究所の佐々木裕平です。
日ごとにコロナウィルスの影響により、世界の株価があわただしくなってきたように感じます。
さて、本日は少し趣向を変えて、久々に行動経済学のお話です。
行動経済学とは、心理学+経済学のような、楽しい学問です。
私はとっても好きです。
最初にテストです。
次のA・Bのうちどちらかを選んでください。
①(あなたが子供だとして)お年玉に対して、次のどちらを選びますか?
A:8千円を確実にもらえる
B:じゃんけんをして、勝ったら1万円をもらえる。負けたら一円ももらえない。
あなたの回答はどうでしょうか?
では第二問です。
②(あなたが小学生だとして)校長先生の大切な壺を割ってしまいました。弁償をしないといけません。
A:必ず8千円を弁償する
B:校長先生とじゃんけんをして、負けたら1万円弁償する。勝ったら一円も弁償しなくても良い。
あなたの答えはどうでしょうか。
このような問題の場合、多くの地球人は①ではA:8千円を確実にもらえるを選択します。
一方②ではB:校長先生とじゃんけんをして、負けたら1万円弁償する。勝ったら一円も弁償しなくても良い。を選択します。
これは実は不思議なことです。
「何が?」「どこが?」
と思うところです。ちなみに私も当初は「どこが不思議なの?」と思っていました(笑)。
もう一度問題を見てみると、①と②の問題の金額は選択肢ごとに同じなのです。
つまり、同じ金額の問いに対して、①ではAを。②ではBを。というちぐはぐな答えを選択しています。
だから不思議なのです。
ちなみに①は利得に関する質問。
②は損失に関する質問です。
すなわち、地球人は利得に対しては、「確実性」を求めます。
一方で損失に対しては「リスク追求的・ギャンブル的」を求めます。
ニンゲンはとても不思議で面白い生き物なのです。
では、先ほどの問題の文言を旬の話題のコロナウィルスに当てはめてみましょう。
このようになります。
A:適切な対応をして、被害を数千人程度で納める
B:テキトーな対応をして、運が良ければ被害が小さい。運が悪ければ被害が甚大になる。
多くの地球人は、Bを選択してしまうかもしれません。
つまり、人は損失回避的なので、このように非合理的な行動をしてしまうのですね。
しかしこれは国家レベルの問題でも同様だったら困りますね。
まあ、そんなワケないか。
ハハハ・・・。
ただ、このような人の持つ非合理的な判断は、ある程度の知識があれば回避できると思います。
特に、集団において、意見を自由に言い合える環境であれば、何人かの合理的な人の発言によって、気がつくはずですが・・・。
それではまた。