どうして貧富の格差は広がるの?原因と解決策(寄付)

こんにちは。

金融教育研究所の佐々木裕平です。

温かくなったり、寒くなったりと、体調管理が難しい季節になりました。

さて、今回は貧富の格差について、少し見てみましょう。

Contents

貧富の格差は、徐々に広がりつつある

貧富の格差というと、あまりピンとこない人もいるかもしれません。

かつて日本では一億総中流などといったように、ほとんどの人が普通の生活を送れていた、というイメージもあるかもしれません。

ところが、現在、そして未来において、日本はもちろん、世界でも貧富の格差が拡大していくことが問題視されています。

経済格差の問題とは

貧富の格差の問題点はどこにあるのでしょうか。

いろいろとあると思いますが、筆者は次の点にあると思います。

  • 富めるものはますます富む
  • 貧しい人はずっと貧しいままになりやすい

つまりお金持ちは、どんどん時間経過とともにその資産が増えていきます

一方で貧しい人は、どれだけ長い期間働いても、一向に生活が向上していかない可能性があります。

これは世界各地で見られる現象です。

なぜでしょうか?

経済格差・貧富の差の原因は?

経済学でもいろいろと原因が研究されていますが、一例として、貧富の差の原因として、以下のようなものがあります。

まず「貧しい人が、一生懸命に働いても貧しいまま」の原因

  • 貧しい人は借金をするので、その返済に追われ、いつまでも貯蓄が増えない
  • 貧しい人は貯蓄が増えないので、その子供たちも質の高い教育が受けられない
  • 教育が不十分なので、収入の高い仕事に就けない
  • 手持ち資金が不十分なので起業しにくく、日雇いなどになりやすい
  • 貯蓄が不十分なので、資産運用をしない
  • 資産運用できないので、豊かになれない
  • 頑張っても成果が出ないので、頑張らなくなる
  • このような悪循環が続くので、貧しい人は貧しいままになりやすい。また、一度貧しくなると、この悪循環から抜け出しにくくなる

参考文献:貧乏人の経済学

次に「お金持ちがますますお金持ちになっていく」理由です。

  • 質の高い教育を受けているので、高収入の仕事に就きやすい
  • その子供たちも良い教育を受けやすい
  • 余裕資金が多いので、借金をしにくい
  • 手元資金が多いので、起業や新規ビジネスを起こしやすい
  • 貯蓄が十分にあるので、資産運用を行う
  • 仕事と資産運用によって、常に収支が黒字である
  • 時間経過とともにますます富む(←ここで貧富の差が拡大する)

このような循環が発生します。

※ここでの資産運用とは、投機(リスクを背負っても結果が運任せになるもの)ではなく、投資(リスクを背負うことで、理論上はリターンが付いてくると考えられるもの)です。一例として、全世界の株式に長期間分散投資を行えば、年率で「長期金利+5~6%程度」の期待リターンになると考えられています。つまり、毎年の支出を大幅に上回る運用資産額(リターン金額)に一度なれば、後は放っておいても、ますます富むと考えられる。

一度、ある程度の資産額ができれば、(大きなチャレンジをしなければ)ますます安定性が増します。

個人的に考える経済格差を少し修正する方法と対策

このようにして、世界各地で、貧しい人たちは貧しいままになりやすくなります。

一方で、世界各地ですでに裕福な人たちは、ますます豊かになっていきます。

これが経済格差の原因の一つですね。

個人的な意見ですが、筆者はあまりこのような状況が好きではありません。

このような状況は少しずつでも解消されるようになるべきだと思います。

もちろん、現実世界でもその仕組みは既にあります。

それが税金です。

高所得な人ほど多く税金を納める仕組みなのですね。

そしてその税金は社会の基盤(医療や各種のセーフティーネットなど)に回されます。

そして、海外の富裕層の間では「寄付」を積極的に行う動きも出てきています。

とても素晴らしいことだと思います。

※最近の経済学の研究では、お金から得られる幸せは小さいことがわかりつつあります。例えば、超莫大な富を持っていても、一生困らない最低限の金額を除けば「どれだけあっても使えないお金・自分にとっては無意味なお金」に変わりはなく、それなら寄付をした方が、総合的に個人の幸福度が上がる、のかもしれません。

寄付の文化と、その行為から得られる本当の価値が多くの人に理解されれば、世界がまた少し明るくなるのかもしれません。

※経済学の先行研究では、少額であっても自分に使っても幸福度はほとんど上がらないが、少額であっても他者(家族や他人・困っている人)に寄付をすると、幸福度はすぐに上がることがわかっています。

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