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アクティブ型投資信託は市場平均(インデックス型投資信託)に勝てるのか?
だいぶ秋らしいお天気になりました。
金融教育研究所の佐々木裕平です。
さて、世の中の投資信託は、アクティブ型投資信託とインデックス型投資信託に大きく二分できます。
アクティブ型投資信託とは、市場の平均を上回る成績を出そうとする投資信託です。
インデックス型投資信託とは、市場の平均と連動することを目指す投資信託です。
一昔前は、アクティブ型投資信託が人気でした。
ところが、金融教育が普及してくると、(普及すればするほど)アクティブ型投資信託は人気がなくなります。
なぜでしょうか。
その理論的背景には効率的市場仮説があります。
効率的市場仮説とは
効率的市場仮説というのは、
- 情報が瞬時にすべての投資家に共有されたり
- 投資家全員が合理的な行動をとったりする
そんな、情報や行動が効率的な市場を差しています。
現実的にはそんなにかっちりとは効率的だとは思われません。
しかし、過半のお金は金融機関によって運用されていますので、おおむね効率的であるだろう、と考えられます。
仮説とついているのは、特定の条件下でそうなると考えられる理論モデルだからです。
効率的市場仮説が正しいと、ブラウン運動のように、市場はランダムウォーカーとなるはず
さて、そんな効率的市場仮説が正しいとすると、何が起こるでしょうか?
答えは、ランダムウォーカーが発生する、です。
ランダムウォーカーというのは、株式などの価格がフラフラと不規則なわちゃわちゃした動きをすることを差します。
この理論のモデルは、物理学のブラウン運動です。
中学や高校の科学の実験でしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
効率的市場仮説が正しいと、ファンダメンタル分析とテクニカル分析(チャート分析は通用しなくなってしまう
ブラウン運動≒ランダムウォーカーの世界では、誰も知らない、予測できないサプライズニュースによって、株価などが変動します。
それは不規則に良い・悪いニュースが発生しますので、株価はブラウン運動よろしく、わちゃわちゃした動きになります。
ひらひらした動きでも表現は合っているかと思います。
つまり、不規則で法則性がないのです。
そのため、市場が効率的であり、ランダムウォーカーであるならば、ありとあらゆる分析が無意味になります。
- ファンダメンタル分析・・・財務分析をしても、織り込まれていない情報によって変動するので、無意味である。また、すでにわかっていることは価格に織り込まれているはずだから、やっぱり分析は無意味だ
- テクニカル分析・・・過去と未来の値動きに関連性がない、独立しているはずなので、チャート分析に始まるテクニカル分析は無意味である
結果として、アクティブ型投資信託はインデックス型投資信託には勝てなくなってしまう
さて、話を戻しまして、アクティブ型投資信託はファンダメンタル分析を行います。
しかし、上記のように、市場が効率的で、ランダムウォーカーであるなら、ファンダメンタル分析は通用しません。
そのため、それなら長期的に見て、コストの安い、市場平均と連動するだけのインデックス型投資信託が良いよねー。となります。
個別の株式投資をやる意義は果たしてあるのか?
また、個別の株式投資をする意義はどこにあるでしょうか?
儲かったらよい?
いいえ。
個別株式での成績が市場平均の利回りよりも上回らなければ、意義がないのです。
だって、ほったらかしにしていれば、誰だって市場平均同様のリターンが得られるのですから。
そのため、個別の株式投資をするのなら、市場平均よりもマシなリターンを安定して得られなければ意味がありません。
しかし、それはランダムウォーカーだとすると、不可能なのです。
不規則で法則性がないのですから、ばくち的になってしまいます。
どうも、このへんを突き詰めると、やはり、投資と投機の境目、違い、差が見えてくると思います。
それではまた。