資産運用の世界にはランダムウォーカーという言葉があります。
これは実は大本が物理学だというのです。
ランダムウォーカーのおおもとになっている考え方が物理学の「ブラウン運動」です。
なんでも、中学校・高校の科学で習うらしいです。
※不思議なことに、私はそのブラウン運動を授業で習った記憶がありません。居眠りをしていたのかもしれません(笑)。
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まず最初に、ランダムウォーカーの意味は
ランダム・ウォーカーとは、早い話が酔っ払いの足取りです。
ランダムとは、でたらめ・規則性がないという意味です。
ウオーカーは、歩行者ですね。
すなわち直訳した意味は、不規則に歩く歩行者といったところです。
資産運用でいうところのランダムウォーカーとは
資産運用でのランダムウォーカーとは、株価などの金融商品の値動きを差しています。
どんな様子をランダムウォーカー言うのでしょうか?
それは、株価などが法則性がなく、チャート上を上下にフラフラと動く様子を差しています。
株式が酔っ払いで、株価がフラフラと不規則に動いている、ということですね。
物理学のブラウン運動とは
では物理学のブラウン運動とは?
- 1827年、イギリス 植物学者 ロバート・ブラウン
- 花粉を砕いた微粒子を水に入れると、不規則な動きを見せることから発見
- この不規則な動きをブラウン運動という
上記の場合、花粉の微粒子が、水分子の衝突によって、不規則なわちゃわちゃした動きを見せます。
この様子がブラウン運動、というわけですね。
知人の話によると「科学の授業で、牛乳とか、インクとか使って、顕微鏡で見る実験したでしょう」とのことですが・・・思い出せません(笑)。
それにしても、なんでそう、不規則なわちゃわちゃした動きを見せるのでしょうか。
それは、水分子も花粉の微粒子も、無数にあり、それぞれがボールのように、反発しあって、わちゃわちゃ動くのですね。
一つではなく、無数にある分子がそれぞれ独立して動くので、結果として不規則なわちゃわちゃした動きになる、ということですね。
ブラウン運動とランダムウォーカーの関係は?
で、そんな1827年の発見から、資産運用の中にも、ランダム・ウォーカー理論が生まれました。
いつなのかははっきりとしたデータを見つけられませんでしたが、1960年代から急激に現在の投資理論(現代ポートフォリオ理論)が立て続けに発見・確立されたことから、1960年代ではないかと思います(筆者の推測です)。
※またはベストセラー「ウオール街のランダムウォーカー」のヒット以来?
- 花粉の微粒子→個別の株式の株価
- 水分子→新しい情報(その瞬間までわかっていないサプライズニュースのこと)
上記のようにとらえ、株価もまたブラウン運動するのではないか、しているのではないか、と考えるのですね。
で、資産運用の場合、これをランダム・ウォーカーと呼ぶわけです。
株式の値動きは未来のサプライズニュースによって動く
少し角度を変えて、ランダム・ウォーカーを眺めます。
株式などの価格は、誰も知らない、わからない未来のサプライズニュースによって変動します。
- 良いニュースなら上がる
- 悪いニュースなら下がる
というシンプルなものです。
ランダム(不規則)なポイントは
- ニュース(水分子)は良い・悪いがランダムに発生する(動く)
- それによって、ほかの物事(花粉やそれぞれの株価)もランダムに動く
- だから結局、株価は値動きが誰にも読めない
- テクニカル分析は通用しない
- チャート分析も通用しない
- ファンダメンタル分析も通用しない
ということになるわけですね。
いやはや、資産運用を勉強していると、経済学はもちろん、心理学・統計学そしてまさかの物理学にまで学ぶことになるのですね。
じつにお金の勉強というのは、奥深いものです。
それではまた。