期待リターンとリスクがおおむね比例すると考えられるわけ
こんにちは。
金融教育研究所の佐々木裕平です。
まだまだコロナウィルスの影響が尾をひいています。
経済が本調子になるまでには、もう少し時間がかかりそうです。
さて、今回は期待リターンとリスクの不思議な関係について見てみましょう。
- 期待リターン:将来の予想収益率の標準偏差の確率密度が最も高いところ
- リスク:将来の予想収益率の標準偏差そのもの
一般的に、期待リターンとリスクは概ね比例すると考えられます。
いわゆる、ローリスクなら、ローリターン
ハイリスクならハイリターンだよねー。
という考え方です。
もっともリスクが低いと考えられる預貯金などは、リターンが0.01%程度と、超ローリスク・ローリターンです。
反対に、ハイリスク・ハイリターンと言えば、株式投資です。
でも、どうして?
なぜ期待リターンとリスクは概ね比例するのでしょうか?
その理由の一つが、市場が効率的だから、投資家がそう要求するから、と言えます。
たとえば預貯金。
先ほどのように、預貯金は大変に安全です。
そんな安全なものですから、多くの人・投資家は「安全なら、別に儲かんなくてもいいや」と考えます。
だから、預貯金や、個人向け国債などは、(変な言い回しですが)買値が高くてもいい。
逆に見れば、金利が低くてもいいや。となります。
これは人が基本的に、リスク回避的だよねー、という前提があってこそですが。
だから、安全性の高い金融商品ほど、買値と売値が高い、つまり期待リターンが低くなります。
反対に、ハイリスク・ハイリターンの株式はどうでしょうか。
株式などはリスクが高いですから、一年後などに大きく値下がり・値上がりをしている可能性があります。
もしそんな金融商品が、高い値段で売り・買いされていたら、世界中の投資家は「嫌だなー」と思います。
もっと安かったら買うのに、と思います。
別の言い方をするなら、「リスクが大きい分だけ、儲かる可能性が高くないと、嫌だなー」となります。
だから株式などは、将来の期待リターンに対応して、割安な価格になることになります。
その結果として、より高いリターンが発生することが期待されます。
こうして、ハイリスク・ハイリターンとなります。
おさらい
- 投資家・市場が要求するから、リスクに応じたリターンがつくと考えられる
- ローリスクならローリターン
- ハイリスクならハイリターン
まあ、当たり前の話ですね。
でも資産形成を効率よく進めようと、理論的に考えたい人にとっては、必要不可欠な知識ですね。
それではまた。