効率的市場仮説とは? 

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市場は効率的なの?

こんにちは。

広島のファイナンシャルプランナー、金融教育研究所の佐々木裕平です。

現代ポートフォリオ理論に代表される各種理論があります。

それらの理論と現実の市場が「あっている・整合性がある」という状態を、「市場が効率的である」と表現します。

また、そのような「市場って効率的やねんで」という仮説を効率的市場仮説と呼びます。

 

市場が効率的って、どないな感じやねん

ですがこの「市場が効率的」って、どのような感じなのでしょうか。

それは、現実の市場が理論通りに動くという意味です。

ですが、現実にはまあ、そんなことないわけですよね。

市場には専門家が多いのですが、当然、今日投資を始めたばかりの人もいます。

だから理論通りに動くわけがない

また多くの専門家も(ひょっとしたら)理論をよくわかっていないかもしれません。

ですから現実問題としては、理論では説明がつかないことがしょっちゅう起こります。

 

ウィリアム・シャープ先生の定義する効率的な市場

1997年のノーベル経済学賞受賞者に、ウィリアム・シャープ先生がおられます。

ウィリアム・シャープ先生の定義する効率的市場は次のようなものです。

  • 効率的な市場とは、すべての証券の市場価格が常にその投資価値に等しい市場である。

どういうことでしょうか。

例えば、市場が効率的な場合、「A社が儲かっている」という情報があれば、あっという間にその情報はネットや自動プログラムにより共有されます。この場合は、買われます。そして適正な株価に反映されるはずです。

また「B社の工場が火災に遭った!」という情報があれば、やはりその情報が株価に織り込まれます。そして売られて、適正な株価になるはずです。

 

効率的な市場でないと何が起こるのか

それではもしも、市場が効率的でないなら、どうなるのでしょうか。

そのような時には、株価などが本来の理論価値から離れることになるはずです。

そしてその価格のミス(ミスPricing)を利用して大きく儲けることができるはずです。

例えばA社が儲かっている、という情報が市場が効率的ない場合、一部の人にしか先に知られずに、その人たちが先に安く買います。

後から情報を知った人たちがたくさん買うと、価格が吊り上がります。

そうすると、先に買った人が高く売ることができ、儲かります。買って売るだけで儲かる。裁定取引といいます。ただ飯が食えるわけですね。

もちろんこれには、情報が先に一部の人に知られたのちに、みんなが知ることが重要です。

永遠に一部の人しか知らない情報では、みんなが買わないので、その情報による追加的な利益は生まれません。

 

仮に市場が効率的でないなら、大儲けが可能なはずだが

私は個人的には市場は「完璧じゃないけど、概ね効率的なんじゃないかなー」と考えています。

だって世界中の投資家の中で私だけが「割安な株式」を見つけられるほど、インターネット・自動プログラム・AI・世界中の優秀な金融機関が発達している現代の投資の世界は甘くないと思うのです。

それではまた。

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