先物取引とは

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先物取引ってなんだろう

資産運用に関する勉強をしていると「先物取引」なる言葉が出てきます。

いったい、どういう意味なのでしょうか。

 

先物とは、

  • 特定の商品を
  • 将来の決められた日
  • 取引の時点で決められた価格で取引する

ことを差しています。

 

先物の一例

少し(かなり?)分かりにくいので、一例を挙げてみましょう。

お米です。

農家さんが、今日、種もみをまく、とします。

この将来のお米の価格は、いまのところわかりません(ここがすごく重要)

  • 大雨で全体の供給量が少なくなれば、お米は平年より高い価格となるでしょう。
  • また、天候が良く、全体の供給量が増えれば、お米は平年より安い価格となるでしょう。

 

飲食店としては、もしも高い価格(例えば120円)となれば、少し困ります。

反対に安い価格(80円)となれば、うれしいです。

 

ではどうすれば、安定した価格で取引ができるでしょうか。

そこで出てくるのが、先物取引の考え方です。

 

仮の話ですが、将来のお米(特定の商品)の価格を100円で「予約」(取引の時点で決められた価格)します。

そして収穫の時期(決められた日)に、「予約」しておいた値段で決済します。

凶作なら、120円のお米が100円で買えます。お米を市場で120円で売れば、20円儲かります

豊作なら、80円のお米を100円で買います。お米を市場で売れば、20円損します

 

このように、先物とは、いまはまだ価格が決まっていない、将来のもの(先物)を、いま価格を決めて取引することです。

ただ、先に書きましたように、「将来のお米の価格は、いまのところわかりません(ここがすごく重要)。」です。

つまり、将来の価格がわからないので、結果はランダム・ウォーカー(でたらめ)なのですね。

もしも事前に分かっていれば、そもそも先物取引が成り立たないでしょう。わからないからこそ、成り立つのではないでしょうか。

 

先物取引のメリットとは

では、このように「特定の商品を、将来の決められた日に、取引時にあらかじめ約束した価格で取引する」という先物取引のメリットとは何でしょうか。

メリットの一つは、価格変動リスクを抑える(ヘッジする)ということが挙げられます。

これは損しない、ということではありません。

「前もって決められた値段で取引できるので(損得は別にして)将来の価格変動リスクを現在の時点で抑えられる」ということだと私は解釈しています。

つまり、損得をする可能性(リスク)はあるけど、それはそれとして、いまの価格で取引するから、将来は将来で織り込み済みの時にはいいよね、という感じでしょうか。

先ほどのお米の例にしますと、将来お米が120円になったら、高くて困る。だったら20円損してもいいから、100円で予約しちゃうよ! もしも120円になったら、ラッキーだよね! という感じの場合にメリットとなる、という感じでしょうか。

 

先物取引の怖いところ?

先物取引の怖いところは、レバレッジを効かせられてしまう、という点にあります。

これは投資家のリスク選好度によって、「怖いな」と思うヒト(私のような人)と、「うれしいな」と思うヒトに分けられると思います。

何のことでしょうか。

レバレッジとはいわゆる「テコ」のことです。

小さな力で大きな物を動かすことができるあの「テコ」です。

 

資産運用の場合は、少ないお金で大きな取引ができます。

例えば、10万円の証拠金で100万円分の取引の「予約」ができます。

この場合、予想がうまく当たれば、大きな利益を手にすることができます。

 

また反対に予想が外れれば、大きな損失をこうむります(怖い!)。

(特に損失回避的な人(私)にとっては、そのような大きな損失は精神的に耐えがたく、ノイローゼになるやもしれません。そうなると仕事も手につかず、より一層、一獲千金の大きな金額のレバレッジの効いた先物取引などに着手しやすくなってしまうかもしれません。ヒトは不思議なもので、小さな損には大きく拒否反応を示しますが、以上に大きな損には寛容(というかマヒ)になり、よりリスク追求的になるというクセがあります。だから普通の人(こそ)は一獲千金を夢見ずに、合理的な資産形成をする方が良いと思います。)

 

ちなみに通常の株式投資や投資信託では、現物取引といって、いまあるお金の範囲内だけで売買します(例外あり)。

つまり、現物取引(普通の投資)では、現物最大限損をしても出したお金が減るだけで済みます。

ところが先物取引の怖いところは、レバレッジを効かせることができますので、思いがけない(見込みが甘かった場合)大きな損失をこうむります。

 

先物取引は初心者には不要

私は代表的な(行動経済学でいう)ノーマル(普通に投資が下手な人)ですので、損失回避的な考え方をします。

おそらく地球上の8割くらいのヒトはノーマル(損しやすい人)じゃないかと思います。

そのため、つい・良く考えた挙句に「損する行動」を選択しがちです。

このような人が先物やレバレッジの効いた投資をすると、大損すると思います。

また、効率の良い資産形成における考え方としては、レバレッジは(通常)必要ないと思います。

先物取引が必要なのは、金融機関などの一部の人たちくらいではないかと思います。

一か八かのどうなってもいいお金ではなく、大切な人生のための資産形成においては、「長期・分散・積み立て(または一括)」をしっかり行うことが重要ではないでしょうか。

 

それではまた。

 

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