こんにちは。
金融教育研究所の佐々木裕平です。
2020年のコロナショック以降、世界の株式市場は、大きな視点で見てみると、非常に強い勢いで株価の上昇が続いています。
それは、かつて(そして、いつの時代も)のバブルの様相すら想起させます。
Contents
危機は市場の調整機能の一つ? 市場には隠れた危機(バブルやその崩壊)を修正する力がある? それはとりもなおさず、群衆の英知なのかもしれません
現在の世界的な株価高がバブルなのかどうなのかは、残念ながら(いつの時代も)はっきりとは「はじけてみるまで分かりません」というものではないかと、個人的には思います。
さて、そのよく耳にする「危機・ショック」とは何なのでしょうか。
そもそも金融危機・ショックとは? 一般的にはイヤなもの
金融危機とは、一般的に金融に端を発する経済危機を差すようです。
また、銀行などの信用が大きく失墜して生じる危機を差すこともあるようです。
また、金融危機とはいかなくとも、経済の状況が一時的にパニックになる状況を危機・ショックと称することがあります。
ただ、この危機・ショックというものは、多くの場合、株価の大幅な下落を伴います。
そのため、投資家にとっては危機であり、ショックであるのでしょう。
しかし、経済・市場から見た危機・ショックというのは、悪いことだらけではないように思います。
ポイント1:危機・ショックはいつ起こる? 人間の場合、無理をし続けていると、体調を崩して、寝込んでしまう
上の図は、ニンゲンが風邪を引く一連の流れを単純化したものです。
- ムリをする
- ストレスがかかる
- 防衛反応として発熱・悪寒・体調不良などの症状が出る
- ダウンする
- 回復していく
- 元気になる(元の正常な状態になる)
誰でも経験がある流れです。
では、経済の危機・ショックの場合はどうでしょうか。
ポイント2:危機・ショックが起こるのはどうして? 危機・ショックを起こさないように頑張っているから
政府や中央銀行側から見ると、不景気や危機・ショックというのは、できるだけ避けたいものです。
そこで金融緩和や量的緩和をしていきます。
すると、先ほどと似たような流れがどうしても生じます。
- 景気が急落しないよう、金融緩和・量的緩和をする(ムリをする)
- 市場の株価などが上昇する(本来の株価水準とは異なるストレスがかかる→隠れたリスクが大きくなっていく)
- 市場の無理に気がつく人々が出てくる→防衛反応として投資家が売る
- 株価が急落したり、バブルがはじけたり、「いろいろなモノの」信用が ダウンする
- 不良債権や、高すぎた株価の修正などを踏まえて、市場が回復していく
- 市場が本来の効率性を取り戻す(元の正常な状態になる)
単純化すると、上記のような流れなのかもしれません。
危機・ショックがもたらすものとは、本来の市場の効率性
つまり、結局のところ、危機・ショックは市場の自浄作用の一つかもしれません。
私たち投資家側からすると危機・ショックは「嫌なもの」には違いないのです。
しかし、それは市場(体)側からすると、「無理のたたった状態を集成するための市場の自浄作用」なのかもしれません。
そして、その危機・ショックを引き起こすのも、(そして)治すのも、私たち一人一人の人間の集合体(群衆の英知)である、市場そのものなのかもしれません。
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