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世界的に現金が急増しているのは、どうして?
金育研究所では金融リテラシーの普及・啓もう活動をしています。
今回は、お金の知識教育(金育)の一環として、
現金について見てみましょう。
現金と言いますと、投資商品ではありませんので、
元本がとりあえず保証されています。
(日本円の信用がある場合)
個人のマネーというと、
一番身近な存在が現金ではないでしょうか。
そんな現金が世界中で増えているようです。
どういうことでしょうか?
お金の価値は集団妄想?
ところで、現金などのお札は本当に価値があるのでしょうか?
じつは、お札そのものには価値がありません。
おかしなお話に聞こえるかもしれませんが、
みんながお札をお金だと思っているからお金としての価値があるのですね。
大昔は、貝や布がお札でした。
(ですから、貨幣・賃貸・売買などのお金を表す漢字には、貝や布が入っていることが多いですね)
(※貨幣の幣は布を意味します)
それが、今では、お札(紙)や電子マネーがお金になっているのですね。
今の時代に、コンビニに貝や布を持って行っても、当然使えません。
それは、みんなが貝や布をお金だと認識していないからなのですね。
このように、突き詰めると、現代のお札もそれ自体には本質的な価値がありません。
本質的には、ただの紙とインクの印刷物ですね。
本質的な価値があるのは、金貨や銀貨などですね。
特に、ビットコインなどの仮想通貨は、株式や金(ゴールド)と違い、
裏付けとなる資産そのものが存在しません。
長期で見て、本当に資産形成に適しているかは
まだまだハテナマークです。
世界的に現金が増えている
さて、そんな現金ですが、ここ数年、世界的に量が増えています。
これは、どういうことかと言いますと、
銀行などにあるお金のことではなく、
- タンスやお財布の中にある現金が増えている!
という意味合いです。
2017年末では、日米欧で現金が440兆円にまで増えています。
ピンときませんが、10年前の2倍くらいになっているのですね。
なぜでしょうか?
どうして、世界中で現金(タンス預金)が増えているのでしょうか?
硬貨よりもお札が増えている
日本だけで見ますと、
1万円札の比率が際立って増えています。
どうして?
それは、タンス預金などをしている人が増えているからです。
冗談に聞こえるかもしれませんが、本当なのです。
タンス預金急増の原因は、マイナンバー制度の誕生?
そんなタンス預金に必要なのが、金庫です。
タンス預金で金庫というのもおかしなお話ですが、
現実にここ数年で家庭用の金庫の売り上げが増えています。
一因として(時期から見ても)マイナンバー制度の導入が
指摘されています。
これは、
「良く分からないけど、
資産を国や税務署に把握されるのではないか?」
という思惑から人々がそのような行動に走っているようです。
一部の人にとっては、
国に自分の資産を把握されるのが怖いのですね。
相続時の準備?
また、高齢化が進み、
相続時の準備として、タンス預金をしている人も多いようです。
人がお亡くなりになりますと、
お葬式や法事、相続、そして相続税でお金が必要になります。
その時、親族であっても、
亡くなった方のお金をすぐに引き出すことができません。
それでは困るケースがあるので、
あらかじめ必要なお金は手元置いておきたい人が増えたのかもしれません。
まれに、誰にも気が付かれずにタンスごと処分されて、
ゴミ処理場で大金が見つかるケースがありますが・・・。
マイナス金利政策の影響
そして、金利も影響しているでしょう。
現在では0.01%程度の金利が一般的ですので、
銀行にお金を置いておいてもほとんど増えません。
大変な低金利の時代なのですね。
ATMでの手数料がかかったりすると、
金利分があっという間に吹き飛んでしまいます。
0.01%ですと、100万円を預けても
100円にしかなりませんので、
土日などでATMの手数料がかかると、
預けているほうがマイナスになることもあるかもしれません。
それなら、最初から現金で置いておく・・・
という人も増えているのかもしれません。
この低金利は、2017年まで世界的な流れでした。
これらの影響で世界的に現金が増えたのかもしれませんね。
まとめ
本日は現金についてのお話でした。
とはいえ、タンス預金では増えません。
そこで政府の方も
- 「貯蓄から投資へ」
- 「貯蓄から資産形成へ」
と謳っているのですが・・・
投資は損をすることがあります。
いつでも大事な資金を投じて良いわけではありません。
なんにでも投資をしてよいわけでもありません。
投資を本格的にする前には、
しっかりと準備・勉強をするのが大切かと思います。
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関係者・読者の皆様に厚く御礼申し上げます。
これからも金融リテラシーの普及・向上に努めてまいります。
小さな事務所ですので大きなことはできませんが、
一つ一つ、お一人お一人の疑問やお悩みにお答えできるように努めてまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。