こんにちは。
金融教育研究所の佐々木裕平です。
最近、チープカシオというジャンルの腕時計にはまりつつあります。
腕時計は価格ではなく、個人の趣味・嗜好に合うかどうかが大事だと思います。
さて、腕時計ははまっても困りませんが、はまって困ることの一つに、金融関係の詐欺があります。
今回は詐欺の見分け方に関する記事です。
もし読者の身近な人で以下のような人がいれば、そっと「それは詐欺にはまっているよ」と教えてあげてください。
Contents
情報商材は全部詐欺だと思ってかかれ
資産運用関連のお仕事や勉強をしていると、時折耳目に入るのが、
情報商材です。
たとえば、こんなもの。
- この自動売買システム(かなり高い)を買えば、短期間で初期投資が回収できます
- 追加で料金を支払えば、絶対勝てる情報商材をお送りします
- 自動売買システムに任せておけば、すぐに儲かります
経済学上は、このようなことはあり得ません。
ポイント1:経済学上、未来の値動きがわかる自動売買システムなんてありえない
現代の経済学では、市場は概ね効率的であるだろう、という前提に基づいています。
効率的市場仮説といいます。
この世界では、株価やFX・バイナリーオプションなどの値動きは「全部でたらめ」になります。
ランダム・ウォーカーといいます。
- 法則性はありません。
- テクニカル分析・チャート分析はかっこいいおまじないにすぎません
- ファンダメンタルズ分析は時間の無駄にしかなりません
情報は即座に市場に織り込まれるからです。
未来の株価・FX・バイナリーオプションなどの値動きは、未来の「いまわかっていないニュース」によってのみ動きます。
ポイント2:未来の値動きがわかる情報商材があれば、経済学がひっくり返ってノーベル経済学賞が確実に取れる、けど、そんなこと、あり得たら、絶対にあり得ない
未来のニュースには法則性がありません。
だから、未来の株価・FX・バイナリーオプションなどの値動きは、ランダム・ウォークします。
でたらめなんです。
どんなスーパーコンピューターを用いて分析してもわかりません。
だから自宅のパソコンやスマホにダウンロードできるアプリでも、未来の値動きはわかりません。
わかるのなら、各国の政府が真剣に取り組み、財政や年金問題をあっという間に改善するでしょう。
また、もしも本当に通用する情報商材があれば、それは即座に世界中の人がその手法を真似をします。
そうすると、あっという間にその手法による追加的な利益は株価に織り込み済みになります。
すなわち、万が一に通用する情報商材があれば、それはすぐに通用しなくなる、と考えられます。
情報商材を売る側は金融知識のなさに付け込んでいる
個人の投資家が知らないことをいいことに、都合の良いことを言って、情報商材を売りつけたり、何かしらの法則があるかのように錯覚させて、頻繁に売買をさせる側にはどんな狙いがあるのでしょうか。
それは、手数料や情報商材を売ることで、自分たちが儲けるためです。
本当に法則や有効な情報商材があれば、誰にも教えずに、売らずに、自分たちだけで行えば、手間もかからず、あっという間に大金持ちです。
でも、それはしません。
だって通用しないことを、自分たちではわかっているからではないでしょうか。
というようなことを雑誌の記事で書いたり、講演で言いますと、それを知られると都合の悪い金融関係の雑誌や、主催者側にしばしば修正を迫られたり、カットされます(笑)。
ああ、また今日も仕事が減る記事を書いてしまった(笑)。
でもそれでいい。
「すべての人に、金融リテラシーを」を実現するために活動するところ、それが金融教育研究所だから。
それではまた。
まとめ
- 情報商材は全部詐欺だと思っていい
- 値動きには法則性なんてない