こんにちは。金融機関から販売マージンなどを受け取っていない中立的なアドバイザーとして講演執筆活動をする佐々木裕平です。
仮にⒶさんがいらっしゃるとします。
Aさんは20代のころから、iDeCoとNISAでコツコツお金を増やしてきました。
もちろん預貯金もしています。
まあまあの収入があり、無駄遣いはしませんでした。
気が付くと40代。お金がいつの間にか5,000万円になっています。
で、ふと気が付きます。
「あれ? この調子で2倍になると、50代で1憶円になってしまうぞ。60代で2憶円に、70代で4憶円になってしまうぞ」
一見、良い話に見えます。
「どうしよう! 増えすぎてしまう! せっかく若い時にいろいろと無駄遣いをしなかったのに!」
「このまま増えてしまうと、使い切れない! こんなことになるのなら、もっと若い時にお金を使えば良かった!」
そうなのです。
お金が増えていき、ある一定の量を超えると、複利効果が凄まじく効いてきます。
もし一年間で40%増えたら?
資産が50万円の時は、20万円しか増えません。
でも5,000万円なら、2,000万円も増えてしまうのです。
何もしていなくても。
このような感じで、お金がどんどん増えていきます。
本来、ちょっと節約志向の強いⒶさんはビックリです。
「よし、これからは真面目にお金を使うことを考えるぞ」
こうして、Aさんは、『増やす』だけではなく、『増やしながら使う』ことにお金を振り向けることになりました。
具体的には毎月の積立額を減らし、日々の生活の消費ボリュームを少し増やすことにしました。
後は、少し速めに退職し、自分の人生をより充実させることを考え始めました……。
新しい人生のステージが始まりそうですね。
と、まあ、このような形も資産運用の成功の一つの形なのかもしれません。
気を付けたいのは、お金の価値は若い時と高齢期で異なる、ということです。
筆者はまだ高齢期ではありませんので、見聞した知識での推測ですが。
若い時の100万円って、とても価値があります。
色々なものが買えますし、経験も買えます。
そこから得られる感動はとても大きいものです。
経済学では効用が大きい、というところです。
ですが、99歳の人にとって100万円とは?
おそらく若い時の100万円よりも効用が小さくなっていることでしょう。
もしかすると、若い時の1,000万円と高齢期の2憶円程度は、同じ効用なのかもしれません。
そう考えると、増やし過ぎても、いけないのかな、とも思います。
具体的には、増えた分だけ(減らさずに、さらに増やしつつ、あるいは減らさず増やさず)使っていく、そんなことに頭脳と労力を割いていくべきなのかもしれません。
それではまた。