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資産配分の一角としてIPO株を考える
2017年上半期のIPO株の結果は?
2017年6/21時点で、上場した35社のうち9割強(32社)で株価が公開価格を上回りました。
(参考:日本経済新聞)
公開価格は(公募・売り出し価格)とも呼ばれます。
2017年の上半期は新興株相場が堅調なこともあり、個人投資家の資金の回転が良好なようです。
IPOって何のこと?
IPOとは新規株式公開のこと(イニシャル・パブリック・オファリング)
株式市場には2017年時点でおよそ4000社ほどが上場しています。
IPO株は新規公開株ですから、いままでは買えなかった株が誰でも市場で買えるようになる、ということです。
↓のイメージ図は東京証券取引所のイメージ図です。
このように、上場して初めて一般的な投資家は企業の株を買うことができます。
ちなみに国内の株式会社の99%は上場しておらず、株式を買うことはできません。
IPO株を買うと儲かるの?
儲かるかどうかは経済情勢や、その会社の人気によります。
たとえば公募価格が20万円のA社があるとします。
公募価格というのは、初めて投資家が買う値段のことです。
そして、A社株が市場で売買されるときに最初につく値段が初値です。
そして 公募価格と初値の差額=損益 にすることができます。
たとえばA社の場合、初値が40万円になった、と仮定します。
すると、20万円で買った物が40万円で売れるのですから、
額にして20万円。
率にして200%の利益になります(20万円の元本が100%の状態)。
もちろん公募価格で購入後、値段がグッと上がるまで持っておくこともできます。
IPO株でどのくらい儲かるの?
では具体的に2017年のIPO株の値動きを見てみましょう。
※ここで紹介しているのは特に値動きの良かったものです。
IPO株が全て利益を生むとは限りませんのでご注意ください。
銘柄名/上場日/6月21日時点での株価上昇率
・IIF / 3・21 / 5.9倍
・ファイズ / 3・15 / 5.7倍
・ビーブレイク / 6・15 / 4・3倍
このように、大きな値動きをすることもあります。
投資信託では、値動きが大きく動いても2倍程度であることを考えると、
非常に大きな値動きです。
2017年に大きな値動きをしている背景には、
既存の大型株の値動きが重い(変化しにくい)という理由もあるようです。
IPO株はどこで買えるの?
さて、そんな魅力的なIPO銘柄ですが、どこで買えるのでしょうか。
基本的にIPO銘柄を最初に買う権利を手に入れるのは抽選です。
そして最初の問題として、どこの証券会社にするか? があります。
じつはIPO銘柄はどこの証券会社でも取り扱っているとは限りません。
大手リアル系の証券会社では、大口顧客などを優先する傾向があるようですし、
インターネット証券では扱っていないところもあります。
ただ、チャンスが平等という点を考えるとインターネット証券が
個人投資家にとっては有利なようです。
IPO株はどうやって買うの?
そのため、個人投資家がIPO銘柄を買うチャンスを増やすためには
複数の証券会社に口座を開くことが一つの作戦になります。
こうすることで、仮にチャンスが平等なら、証券会社の数だけチャンスが増えます。
一般的にはブックビルディング方式と呼ばれる方法で 申し込み→抽選となります。
①IPO株の仮条件価格が1000円~2000円などと示されます。
②その仮条件の範囲内で、希望価格を示します。
(たいていの場合は上限2000円にしておかないと買えません。また上限に達しないようなIPO株では上場後に高値が付きにくいこともあるようです)
③抽選
(希望者が少ない場合は抽選は行われませんが、抽選になることが一般的です)
IPO株で投資をしてもいいの?
投資の基本は、やはり分散投資と長期投資です。
そのため、ご自分のポートフォリオ(資産配分)を組む際は、
世界各国に分散することが基本になってきます。
これは、長期的に見ると日本は人口減で今後、経済規模が縮小していくことが考えられるからです。
つまり、株式市場全体が減少しかねません。
そんな中でIPO株だけを持っていると、
短期的には大きく値上がりすることが考えられますが、長期では不安です。
日本国内だけの投資に集中しているから、短期・集中投資という、反対の状況になってしまうからです。
そのため、IPO株に挑戦する場合は、ご自分の資産の十分の一など、ある程度の分散条件が必要です。
まとめ
・IPOとは新規公開株のこと
・投資信託などにはない、大きな値上がり益が期待できる
・競争は激しく、抽選になる
・スポット的な投資として使うと資産全体のバランスが崩れにくい