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効率的市場仮説に近い世界なら、おのずとランダムウオーク世界になるの巻
こんにちはー。
金融教育研究所の佐々木裕平です。
来年の1月に、東京の大きな会場で講演をさせていただくことになる、かもしれません。
正式にプレスリリースがされましたら、ブログにてお知らせさせて頂きます。
たぶんですけど、聴講者の参加は無料だと思うので、要チェックです!
さて、今回は、効率的市場仮説とランダムウオーク理論の関係について、わかりやすく見てみましょう。
効率的市場仮説とは、情報がすぐにいきわたって、合理的な人々の多い世界
まずは効率的市場仮説からです。
仮説とついているのは、ここでは、特定の前提に基づく理論モデル、という意味合いです。
おおよその学術的な(個人の体験談ではない)投資理論というのは、この効率的市場仮説に基づいているのではないかと思います。
効率的市場仮説では、次の三つの前提があります。
- 情報がすぐに市場に織り込まれる
- 取引コストがゼロ(先進国の市場がそれに近い)
- 参加者が合理的(平均が合理的ならそれでいい)
というものです。
情報がすぐに市場に織り込まれる、というのは、どういうことでしょうか。
例えば、トランプ大統領がコロナウイルスに感染した。
という情報があれば、すぐに市場の株価に反応があります。
これがいわゆる情報が効率的に処理される、ということです。
つまり、オープンになっている情報に基づいて売買をしても、理論上は追加的な見返りを獲得し続けることができない、ということになります。
市場の参加者の平均が合理的なら、効率的市場仮説に近い市場になる
一昔前の私は、市場の全員が合理的なワケはないから、市場は効率的じゃないよねー。って思っていました。
しかし、実際はそうではありません。
市場の多く・または有力な、例えば機関投資家(つまりプロ)が合理的なら、市場の平均は合理的な行動となります。
そうなると市場は効率的な判断を下している、といえそうです。
つまり、賢い世界が効率的市場仮説の世界ですね。
ランダムウオーク理論の前に、ブラウン運動とは何かを知ろう
- まず花粉を細かく砕きます。
- それを水に落とします。
- 顕微鏡で観察します。
すると、花粉が水分子に当たって、ひらひらとランダムに動いているのが確認できます。
これがブラウンさんの発見したブラウン運動です。
物理学です。
花粉の動きや水の動きはお互いに独立しており、まったく法則性がなく、ぶつかっては異なる動きを見せ、それが更なる法則性のない動きを生み出します。
花粉が株価で、水分子がサプライズニュースなのがランダムウオーク世界
先ほどの花粉を株価にして、水分子を誰も知らない・予想できないサプライズニュースだとします。
既知のニュースは、すでに株価にプロなどによって織り込まれているわけですから、残るは、サプライズニュースによってのみ動きます。
すると、株価は、先ほどのブラウン運動よろしく、サプライズニュースに出会っては、ひらひらと法則性がなく、動きます。
これがランダムウオーク世界です。
ランダムウオーク理論とは、過去と関係なく、いかなる分析も無意味になる世界
このため、純粋に市場が効率的だとすると、市場の株価などの値動きはランダムウオークになるはずです。
特徴は以下のようなもの
- 既知の情報に基づいて売買しても特に儲かることがない(たまたま当たることはある)
- サプライズニュースは過去と関係がないから、過去の株価の値動きを分析しても、「ご苦労さん♪」なことになる(たまたま当たることはある)
- あらゆる既知の情報は盛り込まれているので、ファンダメンタルズ分析をどれだけ頑張っても「ご苦労さん♪」なことになる(たまたま当たることはある)
- サルがやっても、プロがやっても、結果は同じように、法則性のないランダムなものになる(たまたまスーパー投資家またはスーパーサルが成立することがある)
うわー。楽しいですね。
それではまた!