Contents
ランダム・ウォーカーとは?
こんにちは。
広島のファイナンシャルプランナー、金融教育研究所の佐々木裕平です。
金融経済学においては、株価などの将来の価格変化を予測しても、価格変化の期待値が常にゼロの場合、価格の予想は不可能ということになります。
これはつまり価格がランダムに動く、ということを意味します。
ちなみに、市場の効率性がもっとも弱い状態のウィーク型である場合であっても、株価などはランダム・ウォーカーであると考えられます。
たとえば、ある株価の法則があるとします。
それは書籍にも書いてあるかもしれないし、誰でもネットで知ることができる。
また現代ではその値動きの型をプログラムに入れておけば、自動的に売買できる。
でも、それはみんな知っている。やっている。ウィーク型であっても、そうなります。
そうなると、その株価の法則は、「通用すれば、通用しない」となります。
つまり、ランダムに動く。
法則は当たることもあるけれど、外れることもある。
たまたまそうなるだけ、ということですね。
そして株式などに理論的な、本質的な価値があるのなら、長い目で見れば、細かい値動きは分からないにしても、その本質的な価格に近づいていくと考えられます。
つまり長期で見れば理論に近い、リターンが得られる、かもしれない。
株価の基本的な動き
ちなみに株価は
- サプライズ(前もって予測不能な情報)があれば、瞬時に株価に織り込まれる
- グッド・ニュース(良いサプライズ)があれば、株価は上昇する
- バッド・ニュースがあれば、株価は下落する
となります。
そして、ここが重要なところですが、
グッド・ニュースとバッド・ニュースはランダムに発生します。
当たり前ですね!
ニュースが発生するのに法則がないのですから!
だから株価はランダム・ウォーカー!
ランダム・ウォーカーではないものもある?
ちなみに、世の中のすべてがランダム・ウォーカーであるわけではありません。
日々の天候や気温、GDPなどは長期で観測すれば、時系列変化に対し、プラス・またはマイナスの相関が見て取れることもあります。
ただ、株価は別なのです。
株価だけでなく、そのほかの証券や金融商品の価格は、ランダムなのです。
だから何人たりとも、安定的には未来を予知して、完璧に平均を上回り続けることができない、のですね。
それではまた。