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離婚・死亡・破産・解雇【こんな時どうする?】イデコによくある質問!
本記述の内容は、2018年1月時点をもとにしております。
法改正などで今後、変更になる可能性があります。
①はじめに知っておきたい事
イデコは、別名
「個人型確定拠出年金」
です。
企業型の確定拠出年金と同様に、
ある程度「自分の資産」として守られています。
②離婚をしたら、イデコのお金はどうなるの?
一般的に公的年金の場合は、
離婚時に(厚生年金保険などの報酬比例部分のみ)
分割の対象になるようです。
ただ、イデコは公的年金ではありません。
そのため、
イデコは年金分割の対象にはなりません。
同じ「年金」と名前がついていても、異なるのですね。
③離婚をしたら、イデコのお金は分与されない?
上記のように、分割はされませんが、
財産分与の対象にはなるようです。
これは、イデコが個人の私有財産だからですね。
財産分与は話し合いによって行われるようです。
④自己破産をしたら、イデコのお金はどうなるの?
結論:イデコのお金は、保全される。
確定拠出年金法 32条
国税滞納処分等により差し押さえる場合を除き、差し押さえができない
自己破産した場合の一般的な金融資産、
(通常の証券会社の口座などで保有している株や債券投資信託など)
は換価処分され、債務に充てられます。
自己破産した場合の一般的な退職金
一般的に債務に充てられるようです。
イデコは、一時金として(原則)60歳以降に受け取りますが、
課税は退職金扱いされます。
ただ、イデコのお金は財産とみなされませんので、
自己破産をしても、保全されます。
⑤念のため:企業型確定拠出年金加入者が懲戒解雇されたら、お金はどうなる?
イデコではなく、企業型の解説ですが、念のため。
企業型確定拠出年金に加入している会社員が
懲戒解雇されると・・・?
結論:企業型確定拠出年金のお金は保全される。
懲戒解雇された場合の一般的な退職金
一般的に支給されません。
ですが、企業型確定拠出年金のお金は、
企業に所有権があるのではありません。
企業型確定拠出年金のお金の所有権は、本人にあるのですね。
このようにしてみると、
イデコのお金は一般的な資産とは異なり、
保全性が強い、とみることができます。
※もちろん、基本的に本人であっても、原則60歳までは手を付けること(引き出す)ができません。
⑥イデコを申し込んだ金融機関がつぶれちゃった! 私のお金はどうなる?
結論:イデコの加入者が積み立てているお金は、
信託銀行に置いてある(運営管理機構が持っているわけではない)ので
基本的に影響はありません。
運営管理機関がつぶれても、
ほかの運営管理機関が引き継ぎます(ということになっています)。
⑦イデコのお金が置いてある信託銀行がつぶれちゃった! 私のお金はどうなる?
結論:信託銀行がつぶれても、イデコの加入者が積み立てているお金は
信託銀行自体のお金とは、分けて管理されているので安全です(ということになっています)。
⑧イデコの加入者が亡くなった場合
結論:これまでに積み立てたお金は、
亡くなられた加入者のご遺族に「死亡一時金」として支払われます。
(請求が必要です)
受取人を事前に指定していた場合
(配偶者・子・父母・祖父母・兄弟など)
指定された人に支給されます。
受取人を指定していなかった場合
法令で決められた順位で受取人が決まります。
申請方法(裁定請求)
- 遺族が「記録関連運営管理機関」に支給申請
- 認定後、支給
手続きは、60歳未満(積み立て世代)でも、
年金として受け取っている世代でも、同様です。
⑨イデコの死亡一時金には税金がかかる?
死亡一時金は「みなし相続財産」扱いです。
生命保険などで受け取るお金と同じ扱いです。
通常の相続財産よりも優遇されている税制です。
⑩万が一のためにできることは?
現実として起こり得る可能性がありますが、
「遺族がイデコに加入している件を理解・把握しておらず
お金(死亡一時金)を請求しなかった」
という事態を回避しましょう。
- これは、ほかの
- 預貯金
- 生命保険
- 各種証券口座
などでも共通のことですが、
いつか訪れる日のために、
- 家族と財産の置き場所(銀行名や証券会社名)を共有する
- 家族に請求方法をメモなどで示しておく
- 家族に相続の内容を、きちんと伝えておく
いずれの場合も、最低でも窓口が分かるように、書面などで残しておくことが重要だと思います。
※パスワードやIDなどは、書面に残さないようにするなど、セキュリティ対策には万全を期しましょう。
その他の投資非課税制度との比較まとめ
※下の図表は2018年1月時点の内容です。
今後、法改正などで変更になる可能性があります。
ニーサ | ジュニアニーサ | つみたてニーサ | イデコ(個人型確定拠出年金) | |
利用できる人 | 日本に住む20歳以上の人 | 日本に住む20歳未満の人 | 日本に住む20歳以上の人 | 60歳未満の国民年金または厚生年金保険の被保険者 |
運用管理者 | 本人 | 親権者等 | 本人 | 本人 |
つみたて時税制 | 所得控除の適用なし | 所得控除の適用なし | 所得控除の適用なし | 全額所得控除 |
運用中の非課税 | 5年間運用益非課税 | 5年間運用益非課税 | 20年間運用益非課税 | 70歳まで運用益非課税 |
払い出し時の税金 | 課税されない | 課税されない | 課税されない | 元本を含めて原則課税(ただし、退職所得控除または公的年金等控除の対象) |
非課税投資枠(年間) | 120万円 | 80万円 | 40万円 | 会社員・自営業者などの属性により、14.4万円~81.6万円 |
非課税累計投資枠 | 600万円 | 400万円 | 800万円 | 上限なし |
投資対象商品 | 上場株式(ETF/REIT含む)投資信託 | 上場株式(ETF/REIT含む)投資信託 | 金融庁指定の投資信託・ETF | 定期預金・保険・投資信託 |
新規に投資できる期間 | 2014年から2013年 | 2016年から2023年 | 2018年から2037年 | いつでも |
投資方法 | 一括買い付け・つみたて | 一括買い付け・つみたて | つみたて | つみたて |
損益通算・繰り越し控除 | できない | できない | できない | できない |
資産の引き出し | いつでも引き出せる | 18歳まで引き出せない | いつでも引き出せる | 原則60歳まで引き出せない |
スイッチング・分配金再投資の扱い | 新規の購入とみなされ、非課税枠を消化 | 新規の購入とみなされ、非課税枠を消化 | 新規の購入とみなされ、非課税枠を消化 | 制限なし |
口座開設手数料・口座管理手数料 | 無料 | 無料 | 無料 | 口座開設手数料2777円(税込み)
口座管理手数料2004円~7000円程度(金融機関による) |
最低拠出額 | 制限なし | 制限なし | 制限なし | 月5000円から |
金融機関の変更 | 年単位で可能 | できない | 年単位で可能 | いつでも可能 |
ほかの制度との併用制限 | つみたてニーサとの併用は不可 | 制限なし | ニーサとの併用不可 | 制限なし |
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となりました。
おかげさまで2018年2月中3月中、
上記いずれかの部門で連続1位となりました。
関係者・読者の皆様に、厚く御礼申し上げます。
今後も、微力ではありますが、
金融リテラシーの普及・啓もうに努めてまいります。