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老後資金、いくらあったら安心なのかシミュレーションしてみる
こんにちは。
金融教育研究所の佐々木裕平です。
金融教育の重要性を考えるうえで、大きな要素を占めているのが、老後資金の形成です。
結論から言うと、統計的なデータを見ると、現在の多くの65歳以上の人にとって、老後資金は2000万円程度で足りる可能性があります。
ただ、現在30代・20代、そしていまの子供たちにとっては、彼らが65歳になる時には、2000万円では老後資金が多くの人にとって、足らない可能性があります。
それではみてみましょう。
少子高齢化で年金の受給額は減る可能性が高い
皆様も日々の生活で感じているのではないかと思いますが、日本は少子高齢化が進んでいます。
それも世界一です。
地方都市のスーパーなどの人の集まる場所に行くと、高齢者の方の多さが目立ちます。
その反面、子供たちや、20代・30代の若者の姿はまばらです。
そしてこの少子高齢化は今後も進んでいくと思われます。
その一方で、平均寿命は延び続けています。
栄養面や医療面での進歩に伴い、徐々に伸びているのです。
現時点でも、4人に一人くらいは90歳程度まで生存可能です。
百歳まで生きるのが普通の世界になっていくかもしれない
そして、いまの若い人たちは、さらに医療の進歩によって四人に一人、あるいはもしかすると二人に一人くらいまでが100歳程度まで生存するかもしれません。
数十年前までインターネットやパソコンが家庭になかったですが、爆発的に広がりました。
数十年後には、再生医療の実用化やがん・認知症の治療薬・治療方法が大幅に進んでいる可能性があります。
こうなると、年金の受給額が減ります。
公的年金は仕送り形式だから、仕組み上減ってしまう
公的年金というのは、乱暴に言うと仕送り形式です。
現役世代の方が、高齢の方へお金を毎月送っているイメージです。
ということは?
仕送りをする若い人が減って、受け取る高齢者が増えます。
一人当たりの受給額が減ってしまうのですね。
少子高齢化が進むと、未来の高齢者ほど、受け取れるお金が減っていきます。
シミュレーション:少子高齢化で老後資金は2000万円以上が必要になるケースが多いので、多めに見積もっておく
ではシミュレーションをしてみましょう。
- 現在の高齢世帯の年金受給額の平均は毎月21万円くらい
- 必要な毎月の生活費は26万円くらい
- 毎月5万円の不足×12か月×35年生存する=2100万円あれば、何とかなりそう。
これがいまの65歳の平均的な数値です。
では今度は、いまの若い人たちが65歳になった時、
- 公的年金が毎月換算で、15万円に減っていたとします。
- 必要な毎月の生活費は26万円くらい
- 毎月11万円の不足×12か月×35年生存する=5005万円あれば、何とかなりそう。
という感じになります。
2000万円と5000万円じゃ、だいぶ違います。
そして今後はもしかすると、多くの人が5000万円くらいの資産を老後までに形成しないといけないかもしれません。
政府の仕組み「イデコとつみたてNISA」をしっかり使って老後資金を計画的に準備しよう
すでに国民のための資産形成の制度はいくつもあります。
iDeCoとつみたてNISAが代表です。
しかし、金融教育が追い付いていない気がします。
多くの人が現状の認識と、具体的な行動を理解すれば、少しだけ世界が明るくなるのではないかと思います。
それではまた。