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初めてでもスッキリ分かる株式投資の始め方とポイント!
最近、自分の老後の資金は自分で運用する確定拠出年金や、非課税になるニーサなどが脚光を浴びています。
どうやら、時代は「自分の資産は自分で運用するもの」へと緩やかに移行しつつあるようです。
ちなみに日本で一般的な投資と言うと、株式投資、投資信託、不動産投資(アパート経営など)の3つが代表的です。
今回は、その中でも有名な株式投資の始め方と、注意点、選び方などについて見てみましょう。
①株式投資の始め方
・証券会社に口座を開く
・自分用の口座にお金を入れる(現物取引)
・口座内のお金で株を売買する
たとえば私が「トヨタ自動車」の株を欲しいとします。
でも、トヨタのお店に行って「株を売ってください」と言っても、売ってくれません。
実は、いわゆる株式というものは証券取引所・証券市場(しょうけんしじょう)と言うところへ上場しているものなのです。
これは、野菜の市場などをイメージしてもらうとわかりやすいかと思います。
たとえば、個人が、農家に直接「大根を一本売ってください」と言っても、普通は売ってくれません。
野菜を売買するのは、市場なのです。
株式も同様です。
市場で売買されます。
そして、個人は市場で直接取引ができません。
間に証券会社を挟まないといけません。
そのため、まず、株式を始めようと思ったら、証券会社に口座を開く必要があります。
ちなみに海外の株式が欲しい場合は、外国株専用の口座を開設する必要があります。
ただし、外国株式には、為替の影響が入ってきます。
とても乱暴に言いますと、急に円高になると大きな損失が発生しやすくなります。
また、反対に大きく円安になると大きな利益が生まれやすくなります。
ですが、為替の動きは誰にも予想が付きません。
結果として、外国株式から入ると投資が難しくなりがちです。
初めて株式投資をされる方は、まず、国内の株式から始めた方が分かりやすいです。
②証券会社はどこがいい?
一口に証券会社を選ぶといっても、その数は多数あります。
ですが、基本的に選び方はシンプルでかまいません。
・オンライン証券であること
・会社の規模が上位10社くらいであること
この二つくらいの選び方でかまいません。
なぜか?
それは、証券会社の優劣は基本的に株式投資の成績には影響しないからです。
つまり、どこの証券会社を選んでも、成績はあなたの運用次第なのです。
そのため、ある程度の規模が大きい証券会社から選べばまず問題ありません。そうすれば会社が破たんするリスクも低いですし、競争が激しいので手数料も大体似たようなものだからです。
もちろん、オンライン証券の方が手数料が安い傾向にありますので、そちらが便利です。
また、オンライン証券には店頭の証券にはないメリットがもう一つあります。
それは「心を動かされない」というメリットです。
どういうことでしょうか?
たとえば、株式投資をしていると、リアル証券の場合は営業さんから時々お電話がかかってきます。
最初は世間話などをしているのですが、折に触れ、お勧めの株情報などが飛び出ます。
これがくせ者なのです。
投資家が経験豊富で自分で「これは買っても良い・ダメ」を判断できるのなら良いのですが、初心者の場合はそれができません。
結果として、お勧めの株の話が出るたびに「心が動かされ」てしまいます。
時には、買い時ではないタイミングで株を買ってしまい、思わぬ損失を出してしまう事もあるでしょう。
このような理由でリアル証券は、初心者にはあまりおすすめできません。
※証券会社の営業マンさんは投資・資産運用の専門家ではありません。
あくまでも証券の販売の専門家です。売買をおすすめするのがお仕事です。
くれぐれも過信しすぎないようにご注意ください。
厳しいようですが、投資は自己責任です。
あなたが全ての判断ができるように、立派な投資家として成長しなくては利益は望めません。
③そもそも「株」ってなに?
ちなみに株式とは、株式会社が発行している証券のことを指します。
現在は電子化されており、基本的に紙の証券はありません。
売買もオンライン上で一瞬で済みます。
株は企業が投資家から広くお金を集めるための手段です。
投資家は、その企業の成長性などを見込み、自分のお金を投資します。
企業にはそのお金の返済義務はありませんので、企業が倒産すると、その株式は最悪、無価値になってしまう事もあり得ます。
ですが、その企業の株式を買って保有しているということは、その企業に出資しているということです。
つまり、企業にとっては、株式は資金集めの手段の一つなのです。
もちろん銀行などからもお金を融資してもらえますが、融資の場合は使い道が制限されがちです。
そして、あなたがある企業の株式を買ったら、あなたは株主ですから、その株式会社のオーナー(所有者)の一人に名を連ねた、ということでもあります。
つまり、上場している会社の経営者は、株主から会社の経営をまかされている、という状態でもあるのです。
(※現実にはオーナー社長や、従業員のための会社という考え方もありますが、制度上は、会社は株主(出資者)のものという一面があるのです。
会社が誰のモノか? は非常にむつかしく、デリケートな問題です)
④どうしたら株で損得するの?
まず、株式で利益を得る方法は、大きく2種類に分かれます。
・保有利益(配当や優待など)
・売却差益(安く買って、高く売ると差額が利益になる)
この2種類です。
じつは株式投資と言うのは、非常に単純な仕組みなのです。
株式では、配当が存在する株式があります。あらかじめ配当そのものがない株もあります。
配当は、2016年末時点で東証一部上場平均でおよそ2%程度というところです。
つまり、100万円の株を買うと、年間で2万円分の配当金がもらえる、という感じですね。
これはあくまでも平均の数字であり、実際にはゼロだったり4%だったりするものもあります。
配当・優待などの利益は、長く持っていればいるほどもらえる額が増えます。
けれども、あくまでも平均で2%程度です。
これではあまり積極的に資産を運用していることにはなりません。
よく「ほったらかし投資」などと言われますが、本当にほったらかしにしていては、大きな損失を被りかねません。
本などで「ほったらかしでも大丈夫!」という文言を目にしますが、鵜呑みにしてはいけません。
あれは、紙面の関係上、言葉を削っているだけ(だと思いたい)なのです。
なにしろ、最悪ゼロになってしまうかもしれない、というリスクを背負っている割に、年2%程度では、少し損な勝負です。
そのため、リスクを最大に活かして、リターンを大きく撮るためには、売却益を狙うという行為が欠かせません。
上記の図を見ると良くわかりますが、本当に株式投資は単純なルールなのです。
・安い時に買って、高い時に売ると、差額が利益になる
・高い時に買って、安い時に売ると、差額が損失になる
たったのこれだけしかありません。
あなたができることは、買うか売るかだけです。
資産運用と言うとむつかしい気がしますが、現実的にできることは買うか売るかだけしかないのです。
そして、売却の利益を得る方法は1つだけ。
安い時に買って、高い時に売る。これだけ。
ですが、損失を出してしまう人は、この反対のことをしてしまいます。
なぜでしょうか?
次に、どのくらい損得するのか?
そして、その損得する本質的な原因はなにか?
を理解しましょう。
⑤どれくらい損得するの?
株式投資は、数ある投資の中でもハイリスク・ハイリターンの金融商品です。
リスクが高いのは、先ほど説明しましたように、最悪ゼロになってしまう可能性があるからです。
どんな大企業でも安心はできません。
裏では何をしているか分からないからです。
また、リーマンショックや戦争などの思いがけない原因で大きく損をすることもあります。
上記の企業は大企業ばかりですが、それでも大きく下がるのです。
全体の中のほんの一つではありません。
東証一部ではたったの2000社程度しかありませんから、あなたが買った株が大きく値下がりしてしまう可能性はとても大きいのです。
たとえ話ですが、町内のくじ引きで大当たりを引くよりもずっと高いと言えるでしょう。そのためハイリスクなのです。
では、リターンはどのくらい高いのか?
これも一概には言えませんが、たとえば、ミクシィという株は100倍超に値上がりをしたりもしました。
時折このような急成長をする企業が存在します。
仮にあなたが300万円を投資していたら、3億円になった、という規模の大きな数字です。
※ですが大抵は「心の動き」が邪魔をして、少しの値上がりで売却してしまい、大きな利益を逃してしまいがちです)
このように、ハイリスク・ハイリターンなのです。
では、どうして損得をするのか? の本質に迫りましょう。
↓の図を見てください。
これは2016年末の日本経済新聞の記事を参照したものです。
これによると、
・2016年の投資収益がプラスはおよそ3割
・2015年は投資収益がプラスはおよそ5割
となっています。
たったこれだけの記事ですが、ここに株式投資で成功するかどうかのカギが隠されています。
これは16年の投資家が15年よりも劣っていたわけではありません。
ではなぜ、2割も成績に差がついたのでしょうか?
(別の言い方をすると、なぜ、16年は7割の投資家は利益が出せなかったのか?)
結論を先に言います。
景気のせいです。
いかに投資家が頑張っても、景気が不調(高値で止まっていても同じ)だと利益が出せません。
それは、投資の原則が、安い時に買って、高い時に売る。だからです。
2015年は上り坂だったので、半分位の投資家は利益を出せたのです。
なぜ景気が株式に影響するのか?
それは、景気と株価はおおむね一致するようになっているからです。
より詳細には、株価は先行指数と呼ばれ、景気より少し早く反応するようになっています。
ここのところが、良くわかっていないと、株式投資で失敗をします。
つまり、「まだ上がる」と思って自分としては安く買ったつもりが、高値で買っていて、仕方なく安値で手放して損をする。
これが、損をする大きな原因の一つです。
⑥選び方のポイントは?
それでは、選び方はどのようにしていったら良いのでしょうか?
一般的な株式選定の判断材料にPBRやPERなどがあります。
これらは、その時点での「お買い得な株」を探すのに適しています。
ですが、ここに落とし穴があります。
それは「その時点で」ということです。
先ほど紹介しましたが、株式投資では結果を出しやすい時期と出しにくい時期があります。
PERなどは、それらの大まかな時期を無視して、その時点での比較的良い株を探す方法です。
株式投資初心者の方は、まずは結果を出しやすい時期かどうかを見極めるようにしましょう。
良くわからないようなら、まだ時期尚早と言えるでしょう。
焦らずに投資の勉強をするところから始めましょう。
勉強方法
・日本経済新聞に毎日目を通す
・毎日、トピックスと日経平均株価をチェックする
初心者の方は、まずはこの2つを継続して行いましょう。
次第に全体的な流れが見えてくるでしょう。
実際に、池上彰さんの著書に「投資の専門家とサルが選んだ銘柄において、結果に明確な差がなかった」という内容のお話が載っています。
つまり、それほどに、何を買うかよりも、いつ買うかの方が重要なのです。
また、管理銘柄と整理銘柄は基本的に手を出さない方が賢明です。
それは、値動きが激しかったり、最悪ゼロになってしまう事があるからです。
これらは、投資と言うよりも投機に近い行動です。
ご注意ください。
まとめ
・株式投資は証券会社に口座をつくることで始められる
・株主になるということは、企業のオーナーになるということ
・利益は大きく2種類
・保有利益と売却利益
・株式投資はハイリスク・ハイリターン
・安い時に買って、高い時に売ると利益が出せる
・投資に適していない時期に投資をすると利益を得るのはむつかしい
・選び方にはいろいろな種類があるが、短期的な視野に陥ると、やはり利益は上げにくい
・何を買うかよりも、いつ買うかの方が株式では重要(分散投資をすればするほど個々の成績はあまり意味をもたなくなるため)