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ダウ理論とは何か?
とある資産形成の書籍を先日読んでおりましたら、ダウ理論という言葉が出てきました。
なんだか格好いい名前です。
これはいったいどういう意味なのでしょうか。
ダウ理論は簡潔に言うと、「株価はすべての事象を織り込む」ということです。
あまり筆者もダウ理論には詳しくなく(理由は後述)、ネットで調べた程度ですが、ダウ理論の本旨は市場平均の値動きは、すべてのニュースを織り込んだ、効率的な状態である、という前提を示すものでもあるようです。
これは金融経済学の現代ポートフォリオ理論の効率的市場仮説に通じるものがあると思います。
ただ、一般的には、ダウ理論はチャート分析・テクニカル分析のように、過去を分析することで、未来の値動きを予測できる、という考え方に取られているようです。
ただこれは、間違いのような気がします。
ダウ理論が間違いなのではなく、まるでダウ理論で株価の未来がわかる、という風に拡大解釈している層があるのではないかと思います。
チャールズ・ダウとは誰なのか?
チャールズ・ダウさんは、NYダウという経済指標・市場平均を作成したことで有名な方です。
※1851年生誕 1902年に逝去
このチャールズ・ダウさんが作ったのがダウ理論というわけですね。
株式投資やFXでダウ理論はどう使う?
株式投資やFXでは、ダウ理論が有効である、という説を資産運用の書籍で見ることがあります。
というのも、ダウ理論では「トレンド」というものがある、という考え方をしています。
つまり、
- 流れがあるので、過去の株価の流れを分析すると、将来の株価やFXの値動きがわかる
- 安く買うタイミングがわかる
- 高く売ることが可能になり、儲かる
という考え方をするようです。
おそらくですが、本来のダウ理論はこういうことを言っておらず、結局突き詰めると市場はランダムウオークになるという結論になると思います。
ダウ理論を極めるとどうなる?
ダウ理論の都合の良い解釈が本当に有効であれば、極めると、当然大金持ちになるはずです。
有効であるなら、ぜひとも日銀や年金機構で実施して、年金問題や政府の財政事情を大きく改善してほしいものです。
ただ、現実的には学術の世界ではダウ理論で取り上げられるチャート分析・テクニカル分析の有効性は、現在では「通用しない」と考えられています。
私も過去に国家資格のFP資格を取る際に、メインの参考書を読みましたが、ダウ理論という言葉すら出てきませんでした。
ちなみに現在に至るまで、学術派の理論ではチャート分析・テクニカル分析の有効性を示す書籍や文言は見たことがありません。
その反面、チャート分析・テクニカル分析は通用しないよ、という書籍や文言はしばしば目にします。
ですから私はダウ理論には詳しくありません。個人的な意見ですが、ダウ理論をいくら極めても、短期的な売買では期待リターンはゼロのままであると思います。
現在では、現代ポートフォリオ理論という、ノーベル経済学賞を受賞した理論+それクラスがもりもりと入った理論が主流のように感じます。
また、理論的に考えてみると、ダウ理論のトレンドというものは存在しない、「そう見えるだけ」だといえると思います。
市場の参加者の平均が効率的ならダウ理論は通用しなくなり、ランダムウオーク世界になる
もともとダウ理論は前述の通り、効率的市場仮説に近い考え方をするものなのではないかと思います。
ただ、どういうわけか、その中の「トレンド」というものに注目が集まりすぎて、「過去を分析すれば未来の値動きがわかる」というヘンテコなことになっているのではないかと思います。
チャールズ・ダウさんが生きていたころには、ネットはおろか、スーパーコンピューターすらない時代です。
人は無意識にもランダムな値動きをする株価などに、法則性があるように探して、見つけてしまう(見つけた気になる)という性質を持っています。
そういう時代に、ダウ理論を都合の良い解釈にしてしまった層がいるのではないかと思います。
現在のところ、スーパーコンピューターなどの解析によれば、市場の値動きはランダムウオークであり、特に法則性はない、ということになっています。
ちなみに、私の主観ですが、十年や二十年前には、このダウ理論をベースにしたチャート分析・テクニカル分析の資産形成本が多かったように感じます。
現在では、良書ともいえる、現代ポートフォリオ理論がベースの長期分散投資の本が増えているように感じます。
山崎元先生などの良書の貢献が非常に多いと思います。
また、iDeCo、とくにつみたてNISAでは、現代ポートフォリオ理論の色が強く出ているように感じます。
とはいえ、いまだにチャート分析・テクニカル分析の有効性がある・ないという議論は続いています。
いつの日にか明確な決着が出ることを楽しみにしています。
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