行動経済学入門:具体例 感応度低減性とは? 2000円の差が気にならない?

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行動経済学入門の具体例。感応度低減性とは?

今回は、感応度低減性について見てみましょう。

これは「全体の母数の大きさによって、絶対的な金額の価値を大きく感じたり小さく感じたりする」性質です。

というと、良く分かりませんね。

一例を交えつつ見てみましょう。

行動経済学入門 感応度低減性 1万円のドライヤーが8000円に?

A子とB男がデートのついでに家電ショップでお買い物をしています。

A子「見て、B男君! 定価2万円のドライヤーが1万円で売っているわ!」

B男「ほんとだ! 安いね A子ちゃん! 買おうよ!」

そう言って二人は定価2万円のドライヤーを1万円で買いました。

ニコニしながら家電ショップを出たA子とB男でした。

ところが、しばらく歩くと別の家電ショップの前で、先ほどの定価2万円のドライヤーが8000円で売られていました。

しっかりもののB男は「これは2000円も安い。少ししか離れていないから、さっきの家電ショップに戻って返品してくるね!」

と言って、走って行ってしまいました。

B男が返品をしている間に、しっかりもののA子ちゃんは8000円のドライヤーを購入しました。

つまり、A子とB男は、2万円のドライヤーを8000円で買うことに成功したのです。

また、当初1万円のものが8000円で買えたので、2000円も得した気持ちで、幸せです。

行動経済学入門 感応度低減性 200万円の車が199万8000円に?

またある日、A子とB男は車を買いに車屋さんに行きました。

そこで、ステキな車を200万円で購入しました。

A子とB男は満足しています。納車までおよそ1週間です。

帰り道、別の車屋さんで、先ほどの車と全く同じ車が199万8000円で売られていることを二人は発見しました。

「あっ、このお店では2000円だけ安いね」とB男

「そうね、でも、2000円しか違わないわ(笑)」とA子

「そうだね。帰ろう!」とB男

二人は仲良く手をつないで帰路につきました。

行動経済学入門 感応度低減性 同じ2000円の差でも、感じ方が異なってしまう?

いかがでしたでしょうか。

A子とB男は買い物で2000円の差額がある二種類の商品(ドライヤーと車)に遭遇しましたが、それぞれ異なる反応を示しました。

  1. ドライヤー→1万円が8000円に 「2000円もお得! 返品してでも安い方を買おう!」
  2. 車→200万円が199万8000円に「2000円しか違わないわ。もう帰りましょう」

どちらも差額は2000円です。

合理的(直感や感情を制御して冷静に判断する)に考えるのなら、差額は2000円と同額なのですから「同じようにどちらも返品する」あるいは「同じようにどちらも返品しない」が合理的です。

しかし、母数となる金額が大きくなってしまうと、2000円の差額がとても小さく感じてしまいます。

これが感応度低減性です。

行動経済学入門 感応度低減性 まとめ

投資においても、このように感じてしまうことがあります。

例えば、投資額が100万円で50万円損をすると、大変にしんどいですが、投資額が2000万円で50万円損をしても、あまり気にならない、という感じです。

そして、この感応度低減性に振り回されすぎると、無駄な買い物や出費であっても、ついつい見逃してしまうことがあるかもしれません。

ひどい場合には、自分を苦しめたりもします。

一例としては、電気代を千円分節約しようとして、薄暗い部屋やエアコンをガマンしたりします。一方では、千円の差があってもブランド品なら別に気にしない、ということもあるでしょう。この場合は、冷静に考えるなら、電気代は節約せずに、ブランド品を節約することで、より高いレベルの生活を手に入れられるのかもしれません。

行動経済学入門 感応度低減性のお話でした。行動経済学って本当に面白いですね。

 

 

 

 

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