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行動経済学入門:具体例 アンダーマイニング効果とは
アンダーマイニング効果とは、土台を壊す・弱体化させるという意味合いです。
当初やる気があったはずなのに、あるきっかけでやる気をなくしてしまうことがあります。
どのような状態の時に起こる効果なのでしょうか。見てみましょう。
目的がすれ違うと、気持ちが弱体化してしまう?
アンダーマイニング効果は、誰かのために「良いこと(自分ではそう思っている)」をしたときに「お金をご褒美」としてもらった時などに起こることがあります。
たとえば「肩たたき」です。
子供のときに、祖父母の肩たたきなどをしたとします。
この時、祖父母には二つの選択肢があるとします。
- お礼に お金をあげる
- お礼に「ありがとう」と感謝の言葉を伝える
さて、どちらが子供の「肩たたきをやる気」を維持して、どちらが弱体化(アンダーマイニング効果)してしまうでしょうか。
お金が欲しくてした場合
この時、お金が欲しくてしたのなら、2のお礼を言われただけですと、やる気が弱体化します。
本来の目的(お金)が感謝の言葉にすり替わってしまったので、やる気が弱体化したのですね。
もちろん、1のお礼にお金をもらった場合は、やる気が強化されると思われます。
お金じゃなくて、単に肩たたきがしたかった場合
反対に、純粋に肩たたきがしたかった場合は、
お金をもらうと、やる気が弱体化し、お礼を言われるとやる気が出ると思われます。
ここで重要なのは、それが内発的な動機なのか、外発的な動機(お金)によるものなのか、という違いでしょうか。
一例:勉強が嫌なこどもにお金をあげたらどうなる?
仮の話ですが、勉強が嫌いな子供に、
- 満点取ったら、1万円上げる
という手法を取り入れた場合、どうなるでしょうか?
お金が外発的な要因ですから、子どもにやる気(内発的動機)がなくても、効果があると考えられます。
しかし、途中でそれをやめるとどうなるでしょうか。
1万円のために頑張っていたので、やる気がなくなることがある、と考えられます。
趣味を仕事にしてはいけない?
では、大人の場合の仕事や夢に対する気持ちはどうなのでしょうか。
筆者は仕事や夢などでも同じではないか、と考えます。
若いうちは、夢のために頑張れますが、夢でお金をかせげるようになった時、それがあまり儲からなかったとき、いつしか「これは儲からないからやる気が出ない」とせっかくの夢を放棄する現象が生まれるのではないでしょうか。
あるいは、それは、成功に近づくほどにやる気がなくなるのかもしれません。
むしろ、永遠に儲からない方が夢を追いかけられるのかもしれません。
そのため、趣味を仕事にしてはいけない、などと言われることもあるのかもしれません。
行動経済学入門:アンダーマイニング効果の具体例まとめ
アンダーマイニング効果とは、報酬・お金をもらうことによって、やる気が弱体化したりする効果を指すようです。
これは、じっくり考えてみて、
- 私の場合のやる気が弱体化する原因は何だろうか
- 私の場合の仕事や夢などの行動は、内発的な動機なのか、報酬が欲しい外発的なものなのか
- じゃあ、自分のやる気を弱体化させないためには何がどうであればいいのか
- 本当の自分の幸せはどこにあるのか
などを考えるヒントにもなりそう、と筆者は少し考えてみました。
あなたのやる気が弱体化されるものは何ですか?