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【老年学】日本のいまは、高齢社会?
本記事では、老年学(Gerontology)から見た日本の高齢社会について考察します。
高齢社会とは何でしょうか?
高齢社会とは、「高齢化した社会」を意味します。人口の14%を高齢者が占めると、高齢社会と呼ばれます。
その前段階として、高齢化社会もあります。こちらは人口の7%です。
- 高齢化社会→高齢社会
ちなみに日本が高齢化社会になったのは1970年です。この時、人口に占める高齢者の割合は7%でした。
それから24年間で人口の24%が高齢者となる高齢社会へと進みました。
高齢者とは、ここでは65歳以上を指しています。
150年ほどで日本の人口はおよそ4倍に そして高齢社会へと
1870年ごろの日本の人口は3300万人程度でした。
それが150年後の現在ではおよそ4倍の1億2千万人へと増えています。
150年ほど前の日本では「多産多死」の世界でした。
それから医学の進歩や国の発展に伴い、「多産少死」の世界になりました。
これが団塊の世代などと呼ばれる世代です。
そして、現在では「少産少死」の世界へとなっています。
これは生活水準の向上と公衆衛生の進歩により出生率が減ることによるものと考えられています。
世界で最も短期間で高齢社会になった国 日本
すでに触れましたが、1970年に高齢化社会になってからわずか24年で高齢社会へと日本は推移しました。
これは、世界と比較して、じつに世界一位の速度です。
つまり、日本は高齢社会において様々な対策をとらないといけないのですが、お手本や失敗例がない世界に飛び込んでいるのです。
そのため日本は「高齢化最先進国」と呼ばれます。
2035年には3人に一人が高齢者になる可能性がある
いまからおよそ16年後の2035年という近い未来には、日本の人口の3人に一人が65歳以上になると考えられています。
これからの社会はこの高齢社会にどう対応していくか、が問われます。
また、私たちすべての人はそのうちに高齢者になります。
その時、どのように生きるべきか、若いうちから社会全体として考えていかないといけないと思います。
筆者の考える高齢社会における個人の3つの目標
筆者はこれからの高齢社会において、すべての人が次の三つを意識して生きることが若年期の個人においては重要ではないか、といま考えています。
- 生きがい(趣味)
- やりがい(仕事)
- 人間関係(家族・友達)
この3つです。
若いうちはどれも当たり前にあるものかもしれませんが、老年期にはこれらが枯渇する可能性があります。
もちろん老年期においては、健康なども重要です。
ただ、現役時代においては、この三つをいかに充実させるかが重要だと考えます。
生きがいがなければ、35年程度ある老後が無味乾燥になります。
やりがいは現役時代の仕事だけではありません。いかに社会に積極的に参加して、自分の居場所を作るかも重要だと考えます。
人間関係もとても重要です。老年期において孤独な状況で35年程度を生きるのはやはり大変に無味乾燥な気がします。
これらは老年期に「さあ、やるか」と思ってもすぐに手に入れられるモノではないかもしれません。
いま、日々の家族や仕事、趣味をいかに充実させるか、いまから豊かな老後への道のりは始まっているのかもしれません。