こんにちは。
広島のファイナンシャルプランナーで金融教育研究所の佐々木裕平です。
世界ではいよいよコロナショックの影響が強まってまいりました。
昨今の状況は、歴史的に見ても、記念すべき出来事です。
さて、そんな金融危機真っただ中ですが、経済学や金融経済学、そして行動経済学の理論と照らし合わせますと、不思議なことが見えてきます。
何が不思議なのでしょうか?
それは不合理(非合理的・ヘンテコな行動)な人々の行動と思考です。
と、ここで突然ですが次のクイズを読者のあなたはどう思うでしょうか。
ちなみにこの問題は私が適当に作りました(笑)。
【いつも行く憧れのブランドショップがある。
そこはいつ行っても、欲しいブランド物が高値で売られている。
すでにいくつか持っている。
本当はもっと欲しいのだが、高くて今は出が出ない。
そんなある日、その憧れのブランドショップが大バーゲンを行っている!!
なんと店中の商品が20%オフやら30%オフ、果てにはなんと半額のブランド物まである!!
この時、あなたはどうするだろうか?】
多くの人は上記のクイズ(というより問い)に対して
「そりゃ買うじゃろうが! だってお得なんじゃもん!!」
と答えると思います。
なんならお店には黒山の人だかりができていてもおかしくないでしょう。
しかし、このお店は実際、次のようになっています。
【憧れのブランドショップが大バーゲンを行っている!!
なんと店中の商品が20%オフやら30%オフ、果てにはなんと半額のブランド物まである!!
・・・にも関わらず、黒山の人だかりはおろか、お店からは大量のお客さんが走って逃げだしている。
ある人は「憧れのブランド物がこんなに安くて嫌だ―! もう見てられない!」
またある者は「こんなに安いと買う気がしない! こんな安いの買ったら大損だ!」
「もっと高くならないと買いたくない!」
などと言っている。
お店の中の人はガラガラ。でも棚には相変わらずブランド物が激安で置いてある。
さあ、あなたはどうするだろうか?】
普通に考えれば、上記のようなことはあり得ません(笑)。
どのブランドショップであっても、激安であれば人が群がるはずです。
私なら、欲しい商品が激安で買えれば、買います! だって前から欲しいのですから(笑)。
そして末永く愛用します。
また、その安く買った商品を高値で売れば大きく儲かるからです。(転売を推奨する話ではありません。説明のための仮のお話です。種明かしはこの後。)
しかし多くのニンゲンは合理的な考え方と反対の行動をしてしまいます。
・・・ここまでお読みになった聡明なる読者の皆様にはもう薄々何の話か、お判りかと思います。
上記の「お店」は「株式市場」です。
そして「激安なブランド物」は「大変に割安な株式銘柄群(市場平均など)」です。
普通に商品(例えばスーパーの野菜やお惣菜に例えると、もっと身近でわかりやすい)で考えれば、安い方がうれしいのが普通の合理的なニンゲンの考え方です。
一円でも安い方がうれしいのは経済学的にも当然です。
ところが私たちニンゲンには「損失回避性・後悔回避性」などの危険を過敏に感じ取る生物としてのセンサー・回路が脳内にあります。
そのため、冷静に考えれば簡単に答えがわかる問題であっても、しばしば逆のことをして、チャンスを逃してしまいます。
あなたは激安なブランドショップで何を考え、どう行動するでしょうか。
それではまた。