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行動経済学でいう損失回避性の傾向とは?
行動経済学は楽しい学問ですが、その中で損失回避性というものがあります。
これは、ザックリ言いますと「損が嫌い」ということです。
人は損をするのが2倍くらいイヤ
「当たり前じゃないか」と言われるとそうなのですが、より具体的に言うと、
- 1万円得する
- 1万円損する
上記の場合、1万円損する方が1万円得するよりも2倍くらいハートが痛い! ということです。
投資の場合では、損をしたくない気持ちが異常に強い、というところです。
損失回避性の傾向があるから、同じラーメン屋に通ってしまう?
例えば、筆者はラーメンが好きなのですが、いつも同じお店にばかり通ってしまいます。
近所にはラーメン屋さんが他にも数件あるのですが、不思議といつも同じ店に通ってしまいます。
お値段もそんなに変わりません。
もしかしたら、他のお店で食べた方がずっとおいしいかもしれません。
でも、他のラーメン店には不思議といけないのです。
なぜでしょうか?
ここに人の持つ損失回避性の傾向が見て取れるように感じます。
つまり、こんな感じです。
- 他のラーメン屋でよりおいしいラーメンを食べられるかもしれない
- 他のラーメン屋では、いつものラーメンよりもおいしくないかもしれない
1は利益で、2は損失ですね。
普通に考えた場合、利益も得られる可能性があるのですから、1を選んでも良いのですが、
人が損失回避性の傾向があるとしたら、つまり、損失が2倍くらいイヤですので、
2の損失である、「いつものラーメン屋よりもおいしくない」に遭遇するのが1のおいしいラーメンに出会うより、2倍くらいイヤ、ということになるわけです。
なるほど! だから筆者はいつも同じラーメン屋さんに通ってしまうのですね。
納得です。行動経済学は面白いですね。
行動経済学の入門知識 損失回避性 お金だとどうなる?
それでは、この損失回避性の傾向がお金になるとどうなるのでしょうか。
株式などが急落した場合を考えてみましょう。
- いま買えば、安く買ったことになり、儲かるかもしれない
- 今買えば、もっと下がるかもしれなくて、損するかもしれない、だから買わない
という二通りの未来が想像できます。
当然、1は利益で、2は損失です。
ここでは、(未来のことは分かりませんが)あえて、上下に1000円損得する可能性がある、と仮定します。
この時、私たちはどう判断するのでしょうか?
投資で利益を上げるセオリーから行きますと、1の行動が正解ですが、損失が2倍くらいイヤですので、とてもではないですが、買う気になれないのではないでしょうか。
結果としては、損失回避性が強く働くと、多くの場合、安い時に売る、安い時に買えない、というヘンテコなことになってしまいます。
そして、損をしやすくなってしまう可能性が高まりますね。
行動経済学入門:損失回避性まとめ
本日のまとめとしては、人は損が2倍くらいイヤである、ということでした。
そして、それゆえに多くの人は損をしやすいのかもしれません。
もし、読者のあなたがいつも同じお店で食事をしてしまっている場合、あなたも投資で損をしやすい人かもしれませんね。
ラーメンと投資が行動経済学でつながるなんて、とても面白いですね。