こんにちは。
金融教育研究所の佐々木裕平です。
2020年2月28日現在、世界中の株価は大きく値を下げています。
私は金融の理論が大好きなので、このような状況は格好の研究材料です。
金融教育に携わる者としては、非常に興味深く、世界の株価や人びとの投資行動(選好)を見させていただいています。
およそ一週間程度で2020年の頭の価格より、世界全体の株価は15%下がったのではないかとも言われています。
もしそうであるのなら、これはいわゆる2標準偏差クラスのリスクの振れ幅です。
というと、堅苦しいですね(笑)。
平たく言うと、「結構ヤバい危機」というところです(汗)。
もしこのまま世界中の株価が定価を続け、世界全体の株価が35%ほど下がったら、なんと呼ぶのでしょうか?
それはいわゆる3標準偏差クラスの金融危機です。
やっぱりわかりにくいですね(笑)。
平たく言うと「100年に一度クラスの金融危機」です。(もしそうなったら、の話ですが)
ん? この「100年に一度クラスの金融危機」って、どこかでお聞きになった人もいるかもしれません。
何時だったでしょうか?
それはおよそ12年前(2008年当時)の「リーマンショックに端を発する世界金融危機」です。
あの時も「100年に一度クラスの金融危機」と呼ばれました。
「全然、100年に一度じゃないじゃん! 12年に一度じゃん!(もしそうなったら)」
と思うところです。
しかし、これはあくまでも統計上のリスクの発生する塊の分類の確率の話です。
「100年に一度クラスの金融危機」とは、
もう少し細かく言うとより適正な表現は「100通りの未来のうちの3回(3%)くらいの確率」ともいえるかもしれません。
つまり、別に100年おきに発生する金融危機なのではないのですね。
統計的な発生頻度として「100年に一度クラスの金融危機」と例えているだけなのですね。
そう言えば、(天気には詳しくありませんので、違っていたら、温かい目で見過ごしてください)
豪雨のたびに五十年に一度の豪雨などと、毎年のように耳にします。
これも、あくまでも統計的な数字なのかもしれません。
そのため、可能性としては、今年だけでなく、来年も「100年に一度クラスの金融危機」が引き続き発生する可能性も、なきにしもあらず、ということなのですね。
リスクの発生確率(標準偏差)というものは、非常に面白いものですね(と思うのは私だけでしょうか(笑))。
そしてもっと面白いのは、このような金融危機時に人々が選択する投資における「行動」なのかもしれません。
ある人は売り、ある人は買います(どちらサイドから見ても、同じ値段に対して、売る人・買う人という真逆の選択をする人が世界に常にいないと、売買が成立しません)。
さて、いったいどっちが正しいのでしょうか。
それぞれの人の判断基準は何なのでしょうか。
なぜ同じ価格に対して、異なる行動を選択するのでしょうか。
経済学上の想定する人間と、現実のニンゲンの行動の差を分析するのも非常に面白いものではないでしょうか。
それではまた。