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退職金1000万円を資産運用した場合と貯金した場合の比較をしてみましょう。
金融庁のスローガンは
- 2015年ごろまで「貯蓄から投資へ」
- 2016年以降「貯蓄から資産形成へ」
と変化しています。
さて、このスローガンの意図の一つは、
老後のための資産形成としての要素が強いのですが、
退職金はどのように考えるべきでしょうか?
資産運用するべきか?
しないで貯金するべきか?
今回はそこに迫ってみましょう。
退職金の相場は?
退職金の相場は、およそ1000万円~2000万円のようです。
上記はあくまでも一例です。
就業年数や役職・職種によっても異なってきます。
そこで、本記事では、退職金が1000万円のケースで考えてみます。
分かりやすくするために、
退職金1000万円には手を付けないで放っておいた条件で見てみましょう。
(現実にはあり得ないと思いますが、分かりやすくするため)
退職金1000万円を貯金をした場合
まずは、オーソドックスに貯金をした場合を考えてみましょう。
- 利回り0.01%で30年間貯金した場合(複利周期1年)
現在の普通金利が0.01%程度ですので同条件で見てみましょう。
この場合、
30年間で元利合計(元のお金と複利で増えたお金の合計)で
1003万0044円の計算です。
どのくらい増えたのか?
つまり、30年間でおよそ3万円増えた計算ですね。
資産運用してうまく行った場合
では、次に、資産運用して、うまく行った場合を見てみましょう。
※あくまでもうまく行った場合です。
投資は元本を損なう可能性があります。
うまくいかなかった場合は後述します。
- 利回り5%で30年間資産運用できた場合(複利周期1年)
この場合、
30年間で元利合計(元のお金と複利で増えたお金の合計)で
4321万9424円の計算です。
どのくらい増えたのか?
つまり、30年間でおよそ3300万円増えた計算ですね。
資産運用して、失敗した場合
当たり前ですが、投資で資産運用をした場合、
うまくいかないことがあります。
- 資産運用で損をした場合
個別株式で集中投資した場合、最悪のケースで無価値になります。
金融商品が20%下落すれば、800万円に価値が減ります。
当たり前のように、1000万円を下回る ことが起こります。
運用スタイルや投資対象にもよりますが、
元本保証の貯金をしたよりも、悪い結果になることは十分に考えられます。
資産運用は、損をする可能性が常にあります。
損をしなかったり、元本保証で高利回りをうたうものは、
詐欺の可能性がありますのでご注意ください。
(または、投資家自身がリスクの表記部分を見逃しているか、安心だと誤解している)
問題の一つは、何歳まで生存するのか、分からないこと
こうなると、貯金をするか、資産運用をするか迷うところです。
悩みを深くする原因の一つとして、
平均寿命の延び が挙げられます。
参考:新聞報道(日本経済新聞2018年1/14)
によりますと、
-
2050年時点の年齢別生き残り確率は
-
女性93歳→二人に一人が生き残る
-
女性98歳→4人に一人が生き残る
-
男性87歳→二人に一人が生き残る
-
男性93歳→4人に一人が生き残る
という予測が出ています。
徐々に平均寿命が延びていくのかもしれないのですね。
こうなると、やはり貯金だけでは不安にもなります。
まとめ
今までは、資産運用・形成はシニア時代までが主流でした。
老後は安定した貯金が安全でした。
お金の常識としても、それらが教科書的な答えでした。
しかし、平均寿命の延びに伴い、
今後はシニア時代にも投資が必要な時代になるかもしれません。
また、ケースによってはすでに必要な人もいるかもしれません。
ただ、投資には元本を損なう可能性があります。
退職金のような大切で高額なお金を運用する際には、
基本的な知識を学んでから検討されることをおすすめします。