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AIによる投資の成績は役に立つ? ランキングから考察する
AIによる投資は効果があるのでしょうか。
AIによる投資信託の運用成績・実績・ランキングを見てみましょう。
効率的市場仮説が正しいのであれば、AIによる資産形成のランキングやアプリは意味がない
最初に筆者の個人的な見解を述べます。
筆者は現代投資理論(Modern Portfolio Theory・1990年ノーベル経済学賞受賞 ハリー・マーコウィッツ先生)がおおむね正しいのではないかと考えている人間です。
そのため、効率的市場仮説がおおむね正しいという考え方をしています。
そうである以上、AIによる、資産形成では市場平均を出し抜くことができない、と考えています。
つまり、どのような優れたAIであったとしても、効果が特にない、ということです。
もう一歩踏み込んで言うと、AIを使用しているロボアドや、ランキング・アプリなどは無意味なのだろう、と考えています。
AIが優れれば優れるほどに効果がなくなる
完全に市場が効率的であるとは考えていませんが、おおむね効率的である、と思います。
そうである以上、AIが今後進化すればするほどに、それは市場平均になってしまうことになると考えられます。
つまり、運用や資産形成において、AIを利用しても、特に素晴らしい成績は残せない、ということです。
実際のAI投資信託のランキング・実績・成績を比較する
2019年8月3日の日本経済新聞に次のような内容が載っていました。
以下、要約です。
ーAIを投資判断に活用する投資信託10本の騰落率を調べたところ、すべての投資信託が株価指数を下回る、マイナスの成果だった。不振が目立つ―
理論通りの結果となりました。
投資信託の運用成績(騰落率)の中身は次のようになっています。
参考:日本経済新聞 2019/8/3
米国株 | GSビッグデータ・ストラテジー | ―9.4% |
ブラックロック・ビッグデータ戦略ファンド | ―6.2% | |
米国の市場平均(S&P500) | +7.4% | |
日本除く世界株 | AI活用型世界株ファンド | ―2.8% |
GSビッグデータ・ストラテジー | -2.8% | |
世界株の市場平均(MSCIコクサイ) | +5.0% | |
日本株 | GSビッグデータストラテジー | -11.4% |
Oneフレキシブル戦略日本株ファンド | -6.2% | |
日本の市場平均(トピックス) | ―8.2% |
仮説:AIによる分析でも市場平均は超えられない
上記のような結果になりました。
表を見るとわかりますが、多くが市場平均に大きく負けているか、横ばいです。
仮にAIが大変に優れているのならば、市場平均を大幅に上回る成績にならないといけません。
しかし、現実はそうはなりませんでした。
ここにも現代投資理論と効率的市場仮説がおおむね正しいのではないか、という実績としての根拠が見えるように感じます。
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