こんにちは。金融機関から販売マージンなどを受け取っていない中立的なアドバイザーとして講演執筆活動をする佐々木裕平です。
iDeCoとNISAのおかげで、長期分散つみたて投資を始める人が増えているようです。
金融リテラシーの向上を仕事の目的にしている者としては、とても嬉しいです。
さて、長期分散つみたて投資を始めたばかりの初心者の方からすると、今後、市場が急落すると慌てるのではないかと思います。
かく言う私も、初心者の頃は、とても慌てました(笑)。
と、同時に急騰した場合も慌てました。
そのため、せっかく始めた投資なのに、追加で買ったり売ったりしてしまいました。
さあ、結果はどうなったでしょうか?
結果はさんたんたるものでした。
一言で言うと、何もしない方がよかった、ということです。
じつは人には損失回避性と感応度低減性というものがあります。
これにより、要約すると、「小さく儲けて、大きく損する」ということが発生しやすくなってしまう「仕様」となっています。
人間の基本的なプログラムがそうなっているのですね。
少し詳しく見てみましょう。
Contents
ちょっと面白い、人間のクセ。損失回避性と感応度低減性
・損失回避性→同じ金額の損得であっても、損の方を重く感じてしまう。
一例:保有している銘柄が値下がりを始めると、その状況が大変に苦痛に感じる。
含み損幅が大きくなるほど、苦痛が大きくなるので、売却をして、楽になりたい。
→転じて、大きく損しやすい。
・感応度低減性→利得に関しては、大きく儲かっても、小さく儲かっても、同じくらい嬉しい。
お金が増えても、あまり幸せを感じにくい。
一例:保有している銘柄が値上がりすると、嬉しい。
放っておけば、もっと上がるかもしれない。でも、下がった場合の苦痛が大きい。
と、同時に、これ以上値上がりしても、(心の中の)嬉しさがあまり上昇しない。
→結果として、少しの値上がりで売却してしまう。つまり、小さく儲ける。
こんなヘンテコなことが、普通に起こってしまうのですね。
統計的にみると、何もしない方が、人類の投資はうまくいきやすい
これは一人二人のお話ではありません。
たくさんの人を集めて、統計を取ってみると、その傾向が顕著に現れます。
もちろん、中にはそれに当てはまらない、「人」が存在します。
個人的には、理系の人に多い気がしますが。
とはいえ、大多数の人は、小さく儲けて、大きく損する、という思考プログラムが初期設定です。
そのため、あれこれ考えた挙句、損をしてしまうのですね。
個人的にも、急落・急騰時にもiDeCoとNISA内でも、「ほったらかし」にすることで、効率的な市場の恩恵を受け取れるようになったと思います。
初心者の人は、迷った時はほったらかしにしてみると良いのかもしれません。