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奨学金は保証人がいなくても「機関保証」制度を利用できるが、注意点もある
※本記事は2018年度の日本学生支援機構(JASSO)の制度を基に記しています。2019年以降の最新の内容は、JASSOのHPなどでご確認ください。奨学金制度の内容は、年度ごとに大きく変更になることがあります。
奨学金とは大学・短大・専門学校などに進学を予定しているが、何らかの事情でお金が足らない人の就学を助ける制度です。
授業料や生活費などとして奨学金を当てることができます。
奨学金には給付型(もらえる)もありますが、貸与型第一種・第二種は返さなくてはいけないお金です。端的に言うと借金です。
奨学金とは? ざっくり概要
上にも触れましたが、奨学金の概要をザックリと見てみましょう。
- 奨学金は、進学したい生徒が通っている高校を通じて申し込む制度
- 奨学金には「返さなくてもいい給付型」と「返す必要のある貸与型(借金)」がある
- 貸与型の奨学金にはお金のレンタル料金である利息がつかない「第一種」と利息がつく「第二種」がある
おおまかにいうと、上記のような概要です。
奨学金は借金なので保証人が必要
返さなくてもいい給付型もありますが、基本的に貸与型は借金ですので保証人が必要です。
保証人とは、お金を借りた本人がお金を返してくれない(返すことができない)状態になった時に「代わりに支払います」という人です(返す義務がある)。
ただ、奨学金の場合、何らかの事情で保証人になってくれる人がいないことも考えられます(一般的な社会人の場合、他人の保証人になるには「返済を全て負う可能性があるというリスクが大きいわりに、保証人にはリターンがほぼゼロ」なので嫌がられる)。
しかし、奨学金は保証人がいない場合でも借りることができます。
それが機関保証です。
奨学金制度の機関保証制度と人的保証制度の違いとは?
まず人的保証制度は先ほど述べたような保護者や親せきが保証人になる制度です。
保証人は「進学届」の提出時に選任します。
一方の機関保証制度は、公的機関の「公益財団法人日本国際教育支援協会」が「連帯保証人」になってくれる制度です。
ただ、無料で保証人になってくれるわけではありません。
機関が保証人になってくれるための利用料金が発生します。これは「保証料」と呼ばれます。
実際の保証料は奨学金をいくら借りるか? によって変化します。
奨学金制度の機関保証制度の「保証料」はいくら?
明確な保証料は奨学金の金額によって変化します。
ただ、目安としては貸与型第二種を毎月8万円借りた場合は月換算で五千円程度と言われています。
これは後で別途支払うのではなく、その金額が8万円から先に引かれます。
つまり、奨学金から保証料が先に引かれ、残りを受け取れます。
奨学金制度の機関保証制度の注意点
注意点を一つ挙げます。
- 「進学届」で保証人を機関にした場合、その後に人的保証制度への変更はできません。
また、機関保証制度についての注意点も挙げます。
「機関保証に入っていれば、借金(奨学金)を最悪の場合には期間が支払ってくれるから安心♪」
というのは、半分当たっていて、半分違います。
確かに、返済が滞った場合には、機関が代わりに「全額を支払ってくれます」。
そして、そのあと、機関が本人に請求をします。つまり、取り立てる存在が変わっただけで借金は残ったままです。
それだけではありません。
支払えない場合は、年10%(!!!)の遅延損害金が加算されます。
さらに!
法的措置、そして強制執行へと至ることもあります。
きちんと返しておけばこのようにはなりません。何らかの事情で返済が難しくなった時は、早めに日本学生支援機構へと連絡をしましょう。様々な対応をしてくれます。
奨学金制度の機関保証制度 まとめ
機関保証制度を利用すれば、保証人がいなくても奨学金を借りられます(審査にパスすれば)。
また、人的保証制度と異なり、身内などに万が一の場合、負担を強いることがありません。
ただ、機関保証制度を利用すると「保証料」が発生します。
一例として毎月8万円借りた場合、月五千円程度がかかったとします。4年間借りたとします。総額で保証料はいくらでしょうか?
24万円です。多いでしょうか。
考え方は人それぞれですが、24万円で自分の未来の可能性を「買える」のであれば、それはそれ以上の価値がある場合もあるのではないでしょうか。
本記事がどなたかの一助になれば幸いです。