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【結論】ロボアドバイザーは合理的な資産形成において不要であると考えられる
先日、Journal of Financial Planning(2019August)という雑誌に面白い記事が載っていました。
それは、ロボアドバイザーの三社の運用成績を比較して評価する、というものでした。
ロボアドバイザーとは
一般的にロボアドバイザーとは、顧客がいくつかの簡単な質問に答えることで、その人のリスク許容度を判定します。
それを踏まえて資産配分を組み、その人にあった運用をする、というものです。
投資商品は「投資信託」と呼ばれるものです。
ロボアドバイザーの仕組みは、現代投資理論(MPT)を踏襲している
ロボアドバイザーもそうですが、iDeCoやつみたてNISAなどの資産形成では、投資信託で行います。
それは背景にModern Portfolio Theory 現代投資理論があるためだと筆者は考えています。
MPT(現代投資理論)とは、1950年代にハリー・マックス・マーコウイッツ氏が構築した理論です。
マーコウィッツ氏は1990年にノーベル経済学賞を受賞しています。
MPT(現代投資理論)は分散投資をすることで、リスクを低減しつつリターンを高めるという内容です。
初心者の方向けに分かりやすく言うと、「安全性を高めた状態で資産形成を行う」というスタイルです。
これは、誰でもできることです。専門家だけのお話ではありません。
読者の方にもできます。意外に思われるかもしれませんが難しいことはありません。
ロボアドバイザーの成績を比較したらどうなった?
それではお話をロボアドバイザーの成績比較の記事に戻しましょう。
結論から言うと、ロボアドの実力はバランス型投資信託程度という結果でした。
個人的な意見としては、ロボットアドバイザーは優れているがゆえに、それが市場平均を効率的にすることに一役買う、と考えています。
そのため長期的に見ると市場平均に劣ると考えています。
また、ロボアドバイザー自体に支払う手数料が高く、その分、より一層市場平均を下回りやすいと考えています。
個人投資家へ質問【なぜideCoやつみたてNISAにロボアドバイザーが入っていないのか?】を考えてみてはどうでしょうか
iDeCoやつみたてNISAと呼ばれる、資産形成のための税制優遇口座では、ロボアドバイザーや、投資一任契約(おまかせ)のできるラップファンドが入っていません。
なぜでしょうか?
ここには大きな理由があります。
また、そこを理解することが資産形成を「市場平均に近づける「マシな」運用方法」を理解するキーになると思っています。
結論だけ記すと、先ほど記したように、コストが高い分だけ、市場平均に劣ってしまう、ということです。
また、簡便な質問事項でリスク許容度だけで顧客の資産配分を決定してしまうので、ポートフォリオが中途半端なものになってしまうから、と個人的には考えています。
これから資産形成を考えている人は、【なぜideCoやつみたてNISAにロボアドバイザーが入っていないのか?】という点の理論的な正解をよく考えて、自分の言葉で説明できるようにしてから行うと、最高に良いと思います。
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