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直感的判断で過ちを犯す? 行動経済学とは 具体例:ヒューリスティックの一例をご紹介
筆者が子供のころに、うろ覚えですが、こんなクイズがありました。
中学校の図書館、あるいはもう高校生だったか、記憶はあやふやですが、確かに読みました。
読者の皆様は、正解が分かりますでしょうか?
ちなみに、当時子どもだった筆者には答えが分かりませんでした。
※子供の時の記憶なので引用元不明です。たぶん文面も異なります。
会社員のお父さんが自分のこどもを幼稚園に送り届けました。
しかし、こどもは幼稚園の滑り台から落下して骨折をしてしまいます。
幼稚園の園長さんは大慌てで病院へ連れていきます。
診察に当たったお医者さんは骨折をしている園児を見て、びっくりしてこう言いました。
「これは私のこどもだ!」
さあ問題です。この骨折をした子供は誰のこどもでしょうか?
直感的判断で過ちを犯す? 行動経済学とは 具体例:代表制ヒューリスティックの一例をご紹介
いかがでしたか?
正解は分かりましたか?
子どもの時の筆者はこのクイズの意味すら分かりませんでした。
というのも、子供の時の筆者は、こどもを送った会社員のお父さんと、お医者さんが同じ男親であり、クイズの意味が分からない、と思ったのです。
しかし、この当時のクイズの正解は、
「この骨折をした子供は、会社員のお父さんとお医者さん二人ののこども」というものでした。
賢い大人の読者の方には、もうお分かりでしょう。
会社員のお父さんと、女医であるお母さんのこどもだったから、お医者さんは「これは私のこどもだ!」と驚いたわけですね。
お医者さん=男の医者と思ってしまうのが代表制ヒューリスティックの一例|行動経済学
こどもの時の筆者は先ほどのクイズを見た瞬間に、
頭の中で 会社員のお父さん(男親)とお医者さん(男親)と直感的に判断してしまいました。
そのため、クイズの意図すら良く分かりませんでした。
もちろんいまでは、お医者さんには男性も女性もおり、即座に分かるのですが、子供の時の筆者が出会ったお医者さんは全て男性だったのです。
ですから、お医者さんと言えば男だろう、という直感的な判断をしてしまったのです。
このように、お医者さん=男性だ などと直感的に判断してしまうことを行動経済学では、代表制ヒューリスティックと呼びます。
ヒューリスティックとは直感による判断のことです。
代表制ヒューリスティックで投資をすると、損をし易い?
このような代表制ヒューリスティックでしばしば人は物事を判断してしまいます。
もちろん、場合によっては良いことです。
例えば、車の運転です。車を運転していて、事故を起こしそうなときに、
「えーっと、右がアクセルだから、左がブレーキだな。よし、急に止まるには左のペダルを踏むぞ。いいかな。間違いないかな?」
などといちいち手順を確認していては、交通事故を回避できません。
このような緊急時には、代表制ヒューリスティックを活かして、とっさにブレーキを踏むのが正解です。
また、人が野生動物出会った時にもこれは非常に役立つ機能だったと思います。
しかし、これがこと「お金を増やす」となると、そうはいきません。
「急落した! 危ない! 売ろう!」
「急騰した! 儲かる! 買おう!」
などと反射的に行っていると、「高く買って、安く売る」を繰り返してしまい、どんどん損をしていくかもしれません。
行動経済学とは具体例:代表制ヒューリスティックの一例 まとめ
今回は、行動経済学の代表制ヒューリスティックの具体的な一例を見てみました。
とてもおもしろい現象ですね。
日常生活において、改めて代表制ヒューリスティックを意識してみると、
自分がいかに固定観念に縛られて物事を判断しているのかに驚かされます。
そして、それに気が付くことができると、物事の多様性が認められ、新しいステキな発見がたくさんあります。
読者のあなたも持っている代表制ヒューリスティックがどんなものか、日々の生活でチェックしてみると、きっと楽しいと思います。