Contents
投資信託の分配金で楽々生活!・・・のはずが?
投資信託には、分配金と呼ばれるお金があります。
これは、株式投資でいうところの配当金のようなものだとイメージしていただくと
わかりやすいかと思います。
そして、投資信託の種類によっては
配当金の利回りが高い商品も存在します。
(分配金がない投資信託もあります)
分配金で生活したい!
こうなると、思わず考えてしまうのが、
「分配金が出る投資信託ばっかり買えば、
分配金が生活の足しになるのでは?」
「いや、ひょっとすると、分配金だけで生活ができるのでは?」
つまり、儲かりやすいかも・・・と考えてしまうのですね。
実際、どのくらいの利回りが望めて、
どのくらいの資金があれば可能なのでしょうか?
毎月10万円の分配金を得るにはいくら必要?
ここではシミュレーションとして
- 毎月10万円の分配金を得るには、いくら必要か?
を考えてみましょう。
こういう想像は楽しいですね。
ここでは、思い切り夢を膨らましてみて
年間の分配金利回りが30%の投資信託Xで計算してみましょう。
- 元本が100万円なら→年間30万円の分配金→毎月2.5万円の分配金
- 元本が300万円なら→年間90万円の分配金→毎月7.5万円の分配金
- 元本が500万円なら→年間150万円の分配金→毎月12.5万円の分配金
どうやら、分配金利回りが30%程度なら、
元本500万円程あると毎月10万円の分配金が得られそうです。
・・・ところが?
高利回り分配型の落とし穴
そう、ところがどっこい!
世の中にそんなにうまい話はありません!
そんなに利回りが高い金融商品があったら、
私たちの年金はそれで運用するでしょうし、
銀行の普通預金金利が0・01%ほどなわけはありませんね。
そう、高利回りの分配型投資信託には、
あるカラクリがあるのです。
知らない投資家にとっては落とし穴・・・と言えるかもしれません。
(結論を先に言うと、資産形成・運用に向いていないので買ってはいけません)
2種類の分配金
退職金などのまとまったお金で高利回りの投資信託を
購入しようとしている方、ちょっと待ってください!
次の点を最低限理解してください。
まず、分配金には2種類があります!
- 普通分配金
- 特別分配金
この2種類です。
普通分配金には税金がかかる
まず、普通の分配金には、税金がかかります。
なぜか?
それは、利益だからです。
投資信託の運用がうまくいって、
利益が出たので、利益としての分配金が出ます。
すると、税金がかかります。
これが普通分配金です。
特別分配金には別名がある
一方、特別分配金には税金がかかりません。
なぜか?
それは利益ではないからです。
特別分配金とは、別名、元本払い戻し金といいます。
つまり
あなたの元本が取り崩されて戻ってくるだけなのです。
しかもご丁寧に高いコストが引かれた上に!
(誰が一番儲かるでしょうか?)
リスクを背負った割に見返りが少ない?
「特別分配金があって、元本が痩せても、
利益が出ることがあるならいいじゃない!」
と思うのも危険です。
本来の投資とは、元本が増えつつ、配当や分配金も得られるようにするべきです。
元本が減るかもしれない、というリスクを背負っているのですから
それ相応のリターンを見込めないと、
リスクの方が大きすぎますね。
非合理的な投資なのではないでしょうか?
金融庁が動いた
このように、結論から言いますと
分配金で生活をしようと思うのは危険です。
特に高利回りの投資信託にはご注意ください。
利回りが5%以下くらいの現実的な数字の中から選ぶのが健全でしょう。
投資では、急がば回れ、なのです。
そもそも元本を取り崩すのでは、資産形成になりません。
この点もあって、最近では金融庁も
高利回り(毎月分配型)の投資信託の
販売について、口を出すようになってきました。
うまい話には裏があることが多いですから気を付けましょう。
まとめ
- 投資信託の分配金には2種類ある
- 高利回りすぎる投資信託には要注意
急がば回れのインデックス投資
金育研究所では、Modern Portfolio Theoryを軸とした
合理的なインデックス投資の基礎から具体的な運用方法までを軸に
投資・資産運用の個別相談にて、ご提案しています。
投資をしたことがない人にもわかりやすく解説します。
また、未経験者・初心者に投資の基礎が学べる
投資の入門セミナーも定期的に行っております(有料)。
どうぞお気軽にご利用ください。
金育研究所メニュー
金育研究所 佐々木裕平