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2019年発表の厚生労働省年金財政検証についてのわかりやすいまとめ
今回は、2019年8月27日に厚生労働省から発表になった年金財政検証についてまとめてみます。
参考:厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/zaisei-kensyo/index.html
厚生労働省の年金財政検証とは? いつ発表される?
年金財政検証とは、いわゆる65歳前後から受け取れる公的年金の「通信簿」みたいなものです。
これによって、将来私たちが受け取れる年金が「このくらいになる可能性がある」ということが垣間見えます。
今回は6ケースの経済状況によるパターンが示されました。
厚生労働省の年金財政検証は5年に一度発表されるようです。
年金財政検証2019では、どのケースでも将来の所得代替率は低下する見通しとなった
下記は厚生労働省発表の資料をもとに筆者が作成した表です。
先に見てみましょう。
上記のように、経済状況別に6種類の想定が挙げられています。
1~3は経済発展が「とても良い将来」を想定しています。
ところが、どの想定であっても、所得代替率は低下しています。
所得代替率とは何でしょうか?
所得代替率とは、現役世代の手取り所得をに対して、受給できる公的年金の割合のことを言います。
つまり、低いほど受給できる年金が少ない、ということです。
ちなみに2019年現在では所得代替率が61.7%です。それが将来的には51.9%~36%程度に減るという試算です。
年金財政検証2019では、最悪のケースでも、物価と賃金上昇がプラスになり続けている
「そんなに減るの?」
という感じがしないでもないですが、筆者的にはそれは「良くてそうなる」という印象です。
なぜでしょうか。
それは、年金財政検証では最悪のケース6であっても、物価上昇率と賃金上昇率が上昇し続ける想定だからです。
ちなみに、新聞報道によると賃金上昇率したのはここ5年間では2016年度の1度だけのようです。
下の図がもう少し詳しい内容です。
このように甘い前提条件でも将来の所得代替率が減る予想です。現実的にはもっと減る可能性があります。
将来的にはいまの世代よりも長く働かないと公的年金が現在の水準にまで届かない
上記のように、最高の明るい未来のケース1であっても、現代の所得代替率に届きません。
また、前提条件が甘いので、その数字にも届かない可能性があります。
それを踏まえたうえで、いまの20歳が現在の65歳と同程度の公的年金を受給するには、何歳まで働かないといけないでしょうか。
ちなみにここでは、60歳まで働き、65歳から公的年金を受給する、というのが現在の状況だとします。
すると、日本経済新聞社の報道では以下のようになりました。
現在の20歳は今の人よりも8年9か月働いて受給を遅らせれば同程度になることになります。
50歳の場合は6年となっています。
資産形成が不十分でも、老後に長く働ければ、老後2000万円問題は解決する
このように将来は現状よりも厳しくなる見通しです。
大きな原因としては、少子高齢化の進展に伴い、若い現役世代が減り、年金を受給する高齢者層が増えるため、という理由が挙げられます。
もちろん老後に資金が足らない場合は働けばよいという解決策があります。
上記は一例ですが、75歳程度まで働く(55年間働く)と所得代替率が100%を超える、という試算結果です。
今後は健康寿命の増加と公的年金の減少に伴い、働きがい、やりがいのある仕事を続ける高齢者層が増える社会が到来すると考えられます。
若いうちから、高齢期に向けて「自分はどのように生き・働くのか」というテーマを考えることも人生設計になるのではないでしょうか。
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