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今の教育資金の王道は外貨保険?
※金育研究所では金融リテラシーの普及・向上に努めています。
本記事は外貨預金や学資保険を推奨するものではありません。
お金の知識教育(金育)の一環として記すものです。
昔の教育資金の王道と言えば、学資保険でした。
しかし、長期金利が下がったため、現在ではそれほど魅力的ではありません。
そのため、現在では保険ショップ・保険会社では
外貨建て保険なるものが薦められるケースが多いようです。
どのような保険で、
為替リスクや解約時の元本割れリスクがあるのか?
を見てみましょう。
現在の学資保険の利回りは?
一例として、
- 学資保険Xの払込保険料に対する保険金の払い戻し率・・・100.1%(日本経済新聞報道参照)
さすがに超低金利政策の時代です。
ほとんど増えていません。
長期金利の低下が背景に?
これは、政策としてマイナス金利政策を導入しているため、
世の中全体の金利が低いのが一因だと考えられます。
マイナス金利政策を実行していると、
続々と景気が良くなっていくはずなのですが、
今のところ、実感としては感じない人が多いのが現実かもしれません。
ちなみに長期金利が下がると、
貯蓄型保険の予定利率が下がります。
中には返礼率が100%を切るケースも出てきます。
(人件費などのコストなどがかかるため)
こうなると、保険会社も、売るに売れなくなります。
注意点①学資保険の代替プラン?
そこで、増えない学資保険に代わってよく提案されるのが
- 外貨建ての終身保険
→上記は、終身タイプの死亡保障ですが、中途解約すれば返戻金を教育費に充てられる・・・という提案です。
ケースにもよりますが、返礼率が110%程度になるケースもあるようです。
外貨建て保険で教育費は大丈夫?
しかし、やはり、そう うまい話はありません。
学資保険のように、使う時期が決まっているお金は基本的に運用に向きません(期間が短いほど向きません)。
(締め切りが迫っている時に、都合よく景気が良いとは限らないからです。
これは、すべての投資に共通かもしれません)
特に、外貨建ての商品は為替リスクに注意をすることが重要です。
注意点②外貨保険でも元本割れの可能性はあります
大変にシンプルに申しますと、
- 円高になっていると、大きくマイナスになる可能性があります。
- 円安になっていると、大きくプラスになる可能性があります。
これが使途の決まっていない
(老後資金などの)
長期的な資産運用ですと、
円安になるまで待てる(可能性がある)のですが、
大学の入学資金などとして使う場合は、
やむなく解約しないといけない事態も想定されます。
注意点③解約リスクにもご注意
また、
10年未満に解約するとほとんどの商品は解約返戻金が元本割れする
比較的高利回りをうたう保険の多くは「低解約返戻金型」で数年内に解約すると半分程度しか返ってこない。
(日本経済新聞参照)
このようなデメリットもあります。
注意点④外貨保険は投資に向いているの?
私は、基本的に、
- 保険とは自分で対処できない損害に対してあらかじめ備えるもの
- 保険料が毎月の貯蓄額を上回るのは本末転倒
- 自動車保険や火災保険などの、自分で対処できないものには最低限入るべき
- 保険はシンプルな掛け捨て型が効率が良い
- 保険に貯蓄機能は不必要(見えないコストが発生し損失が見えにくい)
- 保険で資産運用をするべきではない
だと考えます。
特に6の保険で資産運用をするべきではない
は重要です。
たとえば、金融庁の管轄の
- つみたてニーサ
- ニーサ
- ジュニアニーサ
には、保険商品が入っていません。
もしも学資保険や、外貨保険が
教育資金の形成に向いているのなら、
せめてジュニアニーサには入れておくべきでしょう。
しかし、金融庁管轄の制度には入っていません。
入っているのは、株式や投資信託です。
一方、民間の保険会社は外貨保険を勧めます。
あなたは、どちらが正解だと思いますか?
教育資金はいくら必要?
それでは、肝心の教育資金はいくらくらい
かかるのでしょうか?
一般的な数値として
- 幼稚園~大学まで、すべて公立→およそ1000万円
- 幼稚園~大学まで、すべて私立→およそ3000万円
大変に高額な資金です。
まとめ
今回は、学資についてでした。
本文内でも触れましたが、本当に資産形成に向いているのは
何でしょうか?
合理的な長期投資というのは、
とにかくどんな金融商品でも長く持っていれば良い!
というものではありません。
大切な資金だからこそ、正しい金融知識が必要だと考えています。
金育研究所(広島県広島市にあります)では、
金融庁の金融リテラシー向上にあたる活動をしています。
当研究所ではそれを金育(お金の知識教育)と呼んでいます。
投資未経験者・初心者の方にも多くご利用いただいています。
金育研究所は、設立以来、何も金融商品・保険商品の販売・勧誘・斡旋は行っていません。
お金の知識教育を普及・向上させ、世の中を明るくすることが本旨です。
(企業・学校・団体などへも出張セミナーをさせていただきます)
どうぞお気軽にご利用ください。