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個人型確定拠出年金(通称イデコ:iDeCo)の基礎を解説
金育研究所は、金融リテラシーの普及・啓もうに努めています。
今回は、個人型確定拠出年金(通称イデコ:iDeCo)について見てみましょう。
①個人型確定拠出年金(通称イデコ:iDeCo)とは?
個人型確定拠出年金(通称イデコ:iDeCo)は、
厚生労働省管轄の制度です。
私的年金の一種であり、
公的年金に上乗せして
老後資金
を作るための制度です。
(個人的には、同じ制度なのに、個人型確定拠出年金、イデコ:iDeCoと
複数の呼び名があるのは、かえってややこしい気もしますが)
②イデコって必要?
多くの人にとっては、必要な制度だと考えます。
それは、今後は、公的年金制度だけでは、
老後資金が不足する人が多数出ることが予想されるためです。
まさに、今のための投資ではなく、
未来のための投資ですね。
③誰が加入できる?
2017年1月から、法改正により
(確定拠出年金法というのがあります)
60歳未満のほぼすべての現役の方が加入できるようになっています。
④イデコはどうやって行う?
イデコへの加入希望者は、
- 利用する金融機関(運営管理機関)を自分で選ぶ
- 自分で加入手続きをする
- 自分で掛け金を決める
- 自分で金融機関が提供する金融商品の中から、商品を選ぶ
- 自分でどの商品をどのくらいの割合で買うかを選ぶ
必要があります。
上記のように、
自分で判断・行動
をしないといけないのですね。
我田引水ではありますが、金育研究所では、
金融商品の選び方、運用方法などのアドバイスもできます。
※金育研究所では、個人の資産の管理・運用・指図・意思決定はしておりません。
資産運用全般において言えますが、
「良く分からないから、お任せする」
「任せたら、良い結果になる気がするから、自分で考えない」
と誰かに任せるのだけはやめましょう。
売り手側にとっての、良いお客さん(カモ)になることが通常です。
一人ひとりが、賢い投資家として金融リテラシーを身に着け
自立することが、何より大切だと考えます。
(そのため、本来は、学校などで金融リテラシーを伝えるべきだと思うのですが)
⑤途中で変更できるの?
- 掛け金の金額変更は可能
- 購入する金融商品の変更なども可能
⑥つみたてたお金はどうなるの?
基本的に、60歳以降に受け取りできます。
受け取り方法の一例
- 一時金として、まとめて受け取る
- 年金として、受け取る
- 一時金と年金受け取りの併用(金融機関による)
ただ、受け取れる金額は、
人それぞれで異なります。
例えば、1000万円を拠出(積み立てた)場合でも、
- ほぼ1000万円のままの場合
- 3000万円以上になっている場合
など、運用状態と、経済の状況などによって、
大きく異なっているのです。
ここも、自己責任です。
自分の老後のお金を、どうするかは、自分が決めないといけないのです。
⑦イデコのメリットは?その①
税制面で有利です。
投資商品での運用における、
その他の元本割れなどのデメリット・リスクは、
通常の投資とまったく変わりません。
正しい金融リテラシーが必要です。
これも自分で身につけないといけません。
税制面では、利益に対して、課税が繰り延べられます。
よく、すべての利用者が非課税だと誤解がありますが、
人によっては、受け取り時に、税金が発生することがあります。
税金がかかるかどうかは、受け取り方法や、企業などからの
退職金の金額などで変化します。
個別具体的な相談は、税理士さんなどと相談し、
お得な受け取り方を検討するのが良いでしょう。
※税理士資格などをもたないファイナンシャルプランナーが
個別具体的な税務相談を受けるのは、(無料であっても)禁止されています。
⑧イデコのメリット その②
掛け金が所得控除の対象になります。
ザックリ言いますと、
所得が小さく評価されます。
基本的に所得が多い人ほど、
税金が高くなりますので、
イデコを使って、所得が低くなったことになると、
所得税と住民税が安くなるのですね。
年末調整などで戻ってきます。
その他の投資非課税制度との比較まとめ
※下の図表は2018年1月時点の内容です。
今後、法改正などで変更になる可能性があります。
ニーサ | ジュニアニーサ | つみたてニーサ | イデコ(個人型確定拠出年金) | |
利用できる人 | 日本に住む20歳以上の人 | 日本に住む20歳未満の人 | 日本に住む20歳以上の人 | 60歳未満の国民年金または厚生年金保険の被保険者 |
運用管理者 | 本人 | 親権者等 | 本人 | 本人 |
つみたて時税制 | 所得控除の適用なし | 所得控除の適用なし | 所得控除の適用なし | 全額所得控除 |
運用中の非課税 | 5年間運用益非課税 | 5年間運用益非課税 | 20年間運用益非課税 | 70歳まで運用益非課税 |
払い出し時の税金 | 課税されない | 課税されない | 課税されない | 元本を含めて原則課税(ただし、退職所得控除または公的年金等控除の対象) |
非課税投資枠(年間) | 120万円 | 80万円 | 40万円 | 会社員・自営業者などの属性により、14.4万円~81.6万円 |
非課税累計投資枠 | 600万円 | 400万円 | 800万円 | 上限なし |
投資対象商品 | 上場株式(ETF/REIT含む)投資信託 | 上場株式(ETF/REIT含む)投資信託 | 金融庁指定の投資信託・ETF | 定期預金・保険・投資信託 |
新規に投資できる期間 | 2014年から2013年 | 2016年から2023年 | 2018年から2037年 | いつでも |
投資方法 | 一括買い付け・つみたて | 一括買い付け・つみたて | つみたて | つみたて |
損益通算・繰り越し控除 | できない | できない | できない | できない |
資産の引き出し | いつでも引き出せる | 18歳まで引き出せない | いつでも引き出せる | 原則60歳まで引き出せない |
スイッチング・分配金再投資の扱い | 新規の購入とみなされ、非課税枠を消化 | 新規の購入とみなされ、非課税枠を消化 | 新規の購入とみなされ、非課税枠を消化 | 制限なし |
口座開設手数料・口座管理手数料 | 無料 | 無料 | 無料 | 口座開設手数料2777円(税込み)
口座管理手数料2004円~7000円程度(金融機関による) |
最低拠出額 | 制限なし | 制限なし | 制限なし | 月5000円から |
金融機関の変更 | 年単位で可能 | できない | 年単位で可能 | いつでも可能 |
ほかの制度との併用制限 | つみたてニーサとの併用は不可 | 制限なし | ニーサとの併用不可 | 制限なし |
ポリシー
金育研究所は設立以来、
金融商品・保険商品の販売・勧誘・斡旋はしていません。
常に中立・公正な立場から、
合理的な金融リテラシーの普及・啓もうを行っています。
お金と投資の知識教育(金育)は、およそすべての人にとって
必要なものですが、
残念ながら、現在の義務教育のカリキュラムには入っていません。
多くの方が、勘違いをして、損な行動をしているのが現状です。
合理的な金融リテラシーが普及すれば、
結果として、社会が少し明るくなるのではないか? と考え、
行動しています。
小さな事務所ですが
これからもコツコツと
金融リテラシーの普及・啓もうに努めてまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。
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おかげさまで2018年2月中、連続1位となりました。
(2018年3月28日現在で、いずれかの部門で59日間連続1位となっています)
関係者・読者の皆様に、厚く御礼申し上げます。
今後も、微力ではありますが、
金融リテラシーの普及・啓もうに努めてまいります。