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ジュニアニーサと学資保険の賢い考え方は?
子供が生まれたときに考えておきたいことが
将来の子供の学資です。
すべて公立で高校まで通った場合は
文部科学省の調べ(H28年度)では以下のようになるようです。
幼稚園 | 68万円 |
小学校 | 193万円 |
中学校 | 143万円 |
高校 | 135万円 |
そして、大学では
国立大学242万円のようです。
効率ではなく、私立に通った場合は、上記の倍以上の学費が
かかることもあるようです。
つまり、多くの家庭では、
あらかじめ子供の学資を計画的に準備しておくことが
必要かもしれない、ということですね。
学資保険のメリット
学資保険という保険があります。
これは、基本的には、子供の将来の学資を形成するための保険です。
一般的には次のようなメリットがあります。
- 期間ごとにお祝い金が受け取れる
- 子供や親に何かあった時には、給付金が受け取れる
- 親などが亡くなった場合には、以降の保険料が免除される
2と3は、まさに、何かあった時に備える保険ですね。
この部分を重視するなら、大いに考えるべきでしょう。
1の貯蓄だけで良い人は、預貯金や個人向け国債で十分です。
学資保険のデメリット?
では、そんな学資保険のデメリットは、あるのでしょうか?
次のような点が挙げられます。
- あまり増えない
- 保険会社の手数料(儲け)が大きく、金融商品としては(何も起こらなければ)効率が悪い
現在の低金利では、安全に増やそうとすると、どうしても利回りが著しく低下します。
そのため、大きくお金を増やしたい、という希望には
学資保険では答えることは難しいです。
ただ、学資保険は、増やすためではなく、親などに万が一のことがあった場合に備える性質が
メインですので、そもそも学資保険で増やすことを考えるのは、筋違いかもしれませんが。
ジュニアニーサとは
一方で、ジュニアニーサという制度もあります。
これは、現状では、2023年までの間の5年間に
年80万円×5年=最大400万円を投資できる制度です。
文字通り、加入者は20歳未満の人です。
つまり、親が子供名義で行う投資です。
ジュニアニーサのメリット
ジュニアニーサのメリットは、
- 株式や投資信託に投資ができる
というものです。
つまり、増えるかもしれない、という点です。
また、運用益が非課税ですので、
理論上は、通常の課税口座よりも、税金分有利です。
ジュニアニーサのデメリット
最大のデメリットは
- ジュニアニーサは子供が18歳になるまで引き出せない
という点です。
投資ですから、当然、大学の資金などが必要な18歳の時に、
元本割れをしていることがあります。
また、17歳の時まで好調でも、18歳時点でそうはなっていないこともあります。
学資として考えた場合、あまり(にも)使い勝手がよくありません。
また、保険ではありませんので、
親に万が一のことがあっても、給付金などがありません。
ジュニアニーサと学資保険の考え方 一例
一例として
- 子供が18歳時にある程度の蓄え(例えば500万円)を現金として持っている
- ジュニアニーサの資金が減少していても問題ない
と考えるのなら、ジュニアニーサを考えてみるのも良いかもしれません。
また、
- 万が一のことに備えたい
- 増えなくても、計画的に(必ず)資金が18歳の時に必要だ
と考えるのなら、学資保険をメインにする方が良いでしょう。
また、投資の基本は長期です。
子供が18歳になるまでの期間で行うと、
人によっては短期投資になることもあります。
個人的な意見ですが、ジュニアニーサにあまりこだわる必要はない気がします。
また、学資をジュニアニーサで準備するのも、不安定な気がします。
ニーサもつみたてニーサもそうですが、
投資におけるリスクや考え方は、すべて共通です。
合理的な判断が下せるように、金融リテラシーが必要かと思います。
その他の投資非課税制度との比較まとめ
※下の図表は2018年1月時点の内容です。
今後、法改正などで変更になる可能性があります。
ニーサ | ジュニアニーサ | つみたてニーサ | イデコ(個人型確定拠出年金) | |
利用できる人 | 日本に住む20歳以上の人 | 日本に住む20歳未満の人 | 日本に住む20歳以上の人 | 60歳未満の国民年金または厚生年金保険の被保険者 |
運用管理者 | 本人 | 親権者等 | 本人 | 本人 |
つみたて時税制 | 所得控除の適用なし | 所得控除の適用なし | 所得控除の適用なし | 全額所得控除 |
運用中の非課税 | 5年間運用益非課税 | 5年間運用益非課税 | 20年間運用益非課税 | 70歳まで運用益非課税 |
払い出し時の税金 | 課税されない | 課税されない | 課税されない | 元本を含めて原則課税(ただし、退職所得控除または公的年金等控除の対象) |
非課税投資枠(年間) | 120万円 | 80万円 | 40万円 | 会社員・自営業者などの属性により、14.4万円~81.6万円 |
非課税累計投資枠 | 600万円 | 400万円 | 800万円 | 上限なし |
投資対象商品 | 上場株式(ETF/REIT含む)投資信託 | 上場株式(ETF/REIT含む)投資信託 | 金融庁指定の投資信託・ETF | 定期預金・保険・投資信託 |
新規に投資できる期間 | 2014年から2013年 | 2016年から2023年 | 2018年から2037年 | いつでも |
投資方法 | 一括買い付け・つみたて | 一括買い付け・つみたて | つみたて | つみたて |
損益通算・繰り越し控除 | できない | できない | できない | できない |
資産の引き出し | いつでも引き出せる | 18歳まで引き出せない | いつでも引き出せる | 原則60歳まで引き出せない |
スイッチング・分配金再投資の扱い | 新規の購入とみなされ、非課税枠を消化 | 新規の購入とみなされ、非課税枠を消化 | 新規の購入とみなされ、非課税枠を消化 | 制限なし |
口座開設手数料・口座管理手数料 | 無料 | 無料 | 無料 | 口座開設手数料2777円(税込み)
口座管理手数料2004円~7000円程度(金融機関による) |
最低拠出額 | 制限なし | 制限なし | 制限なし | 月5000円から |
金融機関の変更 | 年単位で可能 | できない | 年単位で可能 | いつでも可能 |
ほかの制度との併用制限 | つみたてニーサとの併用は不可 | 制限なし | ニーサとの併用不可 | 制限なし |