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じつは、個人投資家は減る一方
ニーサや確定拠出年金などの登場で、
「今こそ、貯蓄から投資へ!」
という空気がありますが、実際には逆の事態です。
2016年度の個人投資家の株主率は過去最低を記録しています。
なぜなのか?
そして、損をしないためにはどうしたら良いのか?
その実像に迫ってみましょう。
最低の17・1%
日本経済新聞2017/6/21によりますと、
2016年度の株式投資における個人投資家は17.1%という数字になっています。
じつはこれは、1970年の調査以来、過去最低なのです。
なぜ減っているの?
いかがでしょうか?
過去最低と聞くと、ちょっと意外な気がしませんか?
なにしろ、新聞・雑誌などの広告でもニーサや確定拠出年金など
投資初心者大歓迎の雰囲気です。
なんとなく、貯金をしておくよりも投資をした方が賢いような気もします。
でも、実際は減っています。
減っている理由の一つは少子高齢化です。
若い方はお給料が右肩上がりに増えませんから、老後が心配・・・ですから、貯金します。
それに対して、ご年配の方の方が株式投資をよく行っているのですね。
実際に、投資のセミナー会場などに行くと、20代・30代を見かけることは少ないです。
地方ではより一層、その傾向が強くなります。
損をするたびに個人投資家は減って行く
そんな株式投資ですが、2008年ごろまでは、まだ投資家が多かったのです。
およそ、10人に3人くらいが株式投資をしていました。
ですが、リーマンショックを経て、激減、30%から20%へと減ってしまいました。
つまり、損をするたびに投資家が減ってしまった、という面もあるのです。
実際に、投資と言うのは、時期によって運用成績はまったく違うものになってきます。
↓の図を見てください。
2016年が全体の3割程度がプラスになりそうだったのに対して、
2015年は全体の5割程度がプラスになっています。
なぜか?
その理由の一つは、景気に沿っていないからです。
2015年の投資家と2016年の投資家で才能やセンスが違うことは考えられません。
投資というものは、個人の裁量だけではどうしようもないのです。
投資に向いていいる時期は上手く行くし、
そうでない時期は損をしやすいのです。
それなのに株価が高いのはどうして?
さあ、ここで一つ疑問が沸きますね?
そう、個人投資家が減っているのに、なぜ2017年7月時点で、
株価が(ここ数年で)最高値圏にいるのか?
ここに疑問を感じることは非常に重要です。
じつは、2017年前後の株式相場は、官制相場に近いのです。
つまり、政府や日銀、年金機構が大量にETF(上場投資信託)を購入し、株式市場にお金を注いでいるのです。
その結果、2017年時点でおよそ2000円程度が底上げされています。
たとえば、日経平均株価が2万円なら、本当は18000円程度の実力なのです。
このように見せかけだけ景気を良く見せかけている、とも言えます。
これはあまり良い状況とは言えません。
外国人投資家と政府日銀のお金
政府・日銀の他に、外国人投資家も多く日本の株式を買っています。
全体の3割程度と言えるでしょう。
また、そもそも2016年は、個人投資家は日本株を売り越しています。
つまり、買うより売る方が多かったのです。
ですから、本来は日経平均株価は下がっているのが健全な状態なのです。
今現在、日本の株式は大きくねじれ始めているのかもしれません。
そして、それが個人投資家の疑念を招いているのかもしれません。
ちなみに、今は株価が高いので初心者がうかつに買うと、下がった時に大きく損をしてしまう可能性が高い、と言えるかもしれない状況です。
どうしたら損をしないのか?
それでは、どのようにしたら、私たち個人投資家は損をしないで株式投資ができるでしょうか?
それは、株式市場全体を一つの塊と捉えて、
景気の流れに沿って投資をすることが考えられます。
個別の株式では、値動きはまちまちです。
景気が良い時でも倒産する会社もありますし、
景気が悪い時でも株価が急伸する会社があります。
「株式投資はむつかしい! 」
それなら、いっそのこと、市場全体に資金を投じてみるのもいいでしょう。
市場全体をとらえると、安い時と高い時の値動きは比較的わかりやすくなるからです。
それには、インデックス投資という方法が適しています。
もちろん、個別株にもこれは言えます。
投資をする時は、景気全体の流れを良く見るようにしましょう。
まとめ
- 株式投資をする個人投資家は減っている
- 投資は、年によって成績が大きく異なる
- 個別の株を選定するより、景気の流れや市場全体に目を向けることが重要