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投資信託を選ぶときに、インデックス型とアクティブ型があるけれど、合理的に考えたらどっち?
答えはインデックス型です。
こんにちは。金融機関から販売マージンなどを受け取っていない中立的なアドバイザーとして講演執筆活動をする佐々木裕平です。
今回は、インデックス型と呼ばれる投資信託がなぜ優れているのか、見てみましょう。
合理的で効率の良い資産形成をするうえで重要なことはなんでしょうか?
効率の良い資産運用において大切なキーワードの一つは「長期・分散・低コスト」です。ただ、個人で分散投資をするのはなかなか大変です。
現代ポートフォリオ理論では、「分散するといいことあるよ!」となっています。
具体的には、リスクが下がります。
例えば、株式投資で銘柄を200に分散しようとした場合、仮に1銘柄が平均十万円だとしても、二千万円という高額が必要になってしまいます。
さらに分散投資をしようとして、国内の債券、外国の株式・債券にまで分散して持とうとすると、より多くの手間と時間がかかります。
これでは、多くの人にとって分散投資は遠い存在になってしまいます。
そこで、少額でも分散投資が容易な投資信託という選択肢が浮かんできます。
投資信託とは、イメージとしては、大きな袋のようなものです。この袋の中にはいろいろな種類の金融商品を入れることができます。
例えば、日本の東京証券取引所第一部に上場している株式およそ2000社を入れて、日本株式の袋にすることができます。
また、国内の債券、外国の株式・債券を入れたものもあります。
ちなみに経済学上、最も効率の良い投資信託は、全世界株式インデックス型投資信託だと考えられています。
このような状態にすると、仮に一つの投資信託が1万円だとすると、わずか4万円で国内外の株式・債券の数千銘柄に分散投資をすることができます。
インデックスファンドとアクティブファンドは何が違うのか、答えは、平均か、平均を構成するものか
このように分散投資に有利な投資信託ですが、その種類は大きく2種類に分けることができます。
それがインデックスファンドとアクティブファンドです。
ファンドとは、ここでは投資信託のことだと考えてください。
さて、それぞれどのような特徴があるのでしょうか。
まずはインデックスファンドからです。
インデックスファンドとは、ザックリ言いますと株式市場などの「市場の平均に連動することを目指すもの」です。
つまり、運用成果は良くも悪くも市場次第ということです。
また、コストが低い傾向にあるのが特徴です。
ちなみに、インデックスとは指数や指標といった言葉で表されることもあります。
私たちにとって身近なインデックスというと、日経平均株価やトピックス、NYダウ、sp500などが挙げられます。
一方、アクティブファンドはどういうものでしょうか。
アクティブファンドとは、先ほどの「(目標とする)市場の平均を超えることを目指すもの」です。
この場合、運用成果はファンドマネジャーと呼ばれる、それぞれのアクティブファンドを運用する人にかかっています。
こちらは、分析や運用に費用が掛かるため、インデックスファンドと比べるとコストが高い傾向にあります。
アクティブファンドが頑張ると、結局、平均であるインデックスの方が長期的に見ると良くなる
上記の説明だけを単純に比較しますと、多くの方は「平均に連動するだけのインデックスファンドよりも、それを超えようとするアクティブファンドの方がより魅力的だ」と思われるかもしれません。
しかし、合理的に考えると、どうしてもインデックスファンドの方に軍配が上がってしまいます。
なぜそうなるでしょうか?
まず、大切な知識として「市場の平均(インデックス)とは、アクティブファンドの平均に酷似してしまう」ということが挙げられます。
一般生活での平均点とは、しばしば「才能ある人が頑張ったら超えられるもの」という認識です。
ですが、世界の市場にあふれるお金の9割は才能ある人(ファンドマネジャーやアナリストなどの機関投資家)が運用しています。
つまり、平均そのものが大変に「お利口さんな状態」にあると考えられます。
そのため、統計的に見ると、平均を超えられるアクティブファンドは毎年、全体の十分の三程度ではないかと言われています。
これは、アクティブファンドの運用者の能力が低いことを意味しているのではありません。
彼らに才能があるとしたら、才能があるがゆえに、平均が「お利口さんな状態」になり、結果として平均を超えにくくなってしまうのです。
そして、その状態でインデックスファンドよりも比較的高いコストがかかってしまうと、理論上は、より一層平均を下回りやすくなってしまいます。
この現象は、今後優秀なAIや投資理論などが出れば出るほど、強くなる可能性も秘めています。そして、そのAIや投資理論が役に立たなくなることも意味しています。
前もって運用成績の良いアクティブファンドを見つけるのは不可能だから、結局平均であるインデックス型投資信託が良くなる
中には「十分の三が平均を超えるなら、事前にそれを買えば良いではないか」と思われる方もいるかもしれません。
確かにそうです。
事前に市場平均を超えられるアクティブファンドを購入できれば、それは正解です。
ただ、現時点では、事前に運用成績の良いアクティブファンドを見つけるのは不可能だ、と言われています。
それは市場がランダム・ウォーカーだと考えられているからです。
つまり、昨年、運用成績のよかったアクティブファンドが今年も良いとは限りません。
また、昨年、運用成績の悪かったアクティブファンドが今年も悪いとは、やはり限りません。世界中の才能ある人々が頑張っているからこそ、そういうことが起こってしまいます。
ふかくじつだからこそ、長期分散が大切。長期で行うと、確率が少し輪郭を表してくる。だからこそ、インデックスファンドが合理的になる
そして、合理的な資産運用を目指すには、長期で運用することが重要です。
長期間連続して、平均を上回ることのできるアクティブファンドを見つけるのが事前には不可能です。
で、あるのなら、最初から「才能ある人たちの努力の結果であるアクティブファンドの平均」を「比較的低いコスト」で保有することがより合理的なことではないでしょうか。
それがすなわち、インデックスファンドということです。
また、実際に過去の運用成績の比較をしても、圧倒的にインデックス型投資信託の方が有利となっています。
投資信託の銘柄選びの際には、これらの点を考慮してみることも大切かと思います。
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