いまさら聞けない!割引現在価値をわかりやすく3つの点で解説

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割引現在価値とは、未来のお金をいまの価値になおしたもの

こんにちは。

金融教育研究所の佐々木裕平です。

今回は、資産運用の基本の1つについてみてみたいと思います。

それは割引現在価値(わりびきげんざいかち)という考え方です。

割引現在価値ってなんでしょうか?

ポイント1:割引現在価値をわかりやすく言うと、未来の価値をいまの価値になおしたもの

割引現在価値とは、未来の「ある金融商品(例えば株式)」の価値を、現在の価値に直した(割り引いた)ものです。

ここがわかっていると、投資と投機(いわゆるギャンブル・ばくち的な投資)との違いが判ります。

さて、この「現在の価値に直した(割り引いた)」というのは、どういうことでしょうか。

一例を見てみましょう。

ポイント2:割引現在価値のわかりやすい一例

  • 未来のお金:利回り0.01%の銀行預金の一年後の100.01円

ここでは未来のお金が100.01円の価値があります。

では、この未来の100.01円のいまの価値は?

  • いまのお金100円

はい。このように、100円です。

この場合、未来の100.01円のいまの価値は100円なのですね。

これは放っておけば一年後に100.01円に確実になるのですから、いまは100円の価値が正しい、ということでもあります。

ちなみに、一年後に確実に利回り5%になる金融商品があったとします。

この場合、仮に一年後の時価総額が105万円なら、現在価値は100万円ということになります。

ポイント3:割引現在価値は映画の前売り券と似ている?

この割引現在価値を身近な例でいうと、映画の前売り券が挙げられます。

映画の公開前に前売り券を買うと、少し安い価格で買うことができますね。

ただ、上映期間内に見に行けなくなると、無価値になってしまいます。

これは未来の不確実なことの責任を負う代わりに、少し安い価格でその価値を手に入れたことになります。

資産運用の割引現在価値では、損しない金利+リスク分だけ割り引かれる

この「未来の不確実なことの責任を負う代わりに、少し安い価格でその価値を手に入れた」というのは、資産運用でも同様です。

  • 未来の不確実なことの責任を負う→株式などのリスクを背負う
  • 少し安い価格でその価値を手に入れる→未来の理論株価から割り引かれた、現在の株価(市場が効率的な場合、すでにその価格になっていると考えられる)

株式投資での資産運用の場合、先ほどの銀行の金利(正確には長期金利)のほぼゼロ%プラス「リスク分の金利」分、割り引かれると考えられています。

これはつまり、いま投資すると、理論上は「損しない金利+リスク分の利回り(株式の場合、5~6%程度?)」だけ儲かる、ということを意味しています。

投資とは

もちろん未来は不確実ですから、ブレます。このブレ幅がリスクです。

そして、理論上の「損しない金利+リスク分の利回り(株式の場合、5~6%程度?)」のことを

  • 投資家の要求リターン
  • (または)期待リターン(リスクの平均値:よく起こるであろうリターン)

と呼びます。

市場が効率的な場合、どちらも等しくなると考えられます。

割引現在価値がわかると、資産運用はもっと合理的に思考できる

まとめます。

割引現在価値とは、未来の価値から、リスク分や金利分だけ、割り引いた「今の価値」です。

長期での分散投資の場合、これは非常に重要な考え方です。

なぜ?

つまり、長期間分散投資をするということは、将来得られる大きなお金を安く今手に入れられる、ということ。

すなわち、将来お金が大きくなる、ということを意味しています。

短期的な売買(投機的)では、割引現在価値はない

パソコンの前に座って、頻繁にカチカチやる作業(テクニカル分析)ではどうでしょうか。

それはギャンブルです。

短期的に売買をするので、割り引かれた価格で売買しません。

その時の、次の瞬間の丁半ばくち・上がるか・下がるかだけで行うゼロサムゲームです。

金融庁や厚生労働省のつみたてニーサやiDeCoでは、割引現在価値の方(投資)です。

将来の大きなお金を、いま安く買う、それが長期分散投資なのかもしれません。

それではまた。

 

 

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