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不動産投資は儲かる?
こんなご質問を時々いただきます。
結論から申し上げますと
「儲かる人はいます。
けれどもすべての人がそうなるとは限りません」
ということです。
プロの投資方法を交えて
より詳しく見ていきましょう。
新築ワンルームマンションは投資対象としてどうなの?
たとえば、新築のワンルームマンション投資を考えている方がいるとします。
この場合、次のようなリスクが考えられます。
- 地震で建物が損壊する
- 経年劣化で家賃が下がる
- 単身者が多いので、回転が速い→空室が多くなり、家賃収入が途絶えやすい
- 銀行からの融資も金利が上がったら返済が大変になる(家賃を上げるわけにはいかない)
- 最終的に売却するまで、トータルでの損得がはっきりしない
いかがですか? 結構リスクがありますね。
家賃保証はどこまで?
そんな不安な中、最近では家賃保証型の収益物件が人気です。
これはどういうことかと言いますと「空室が出ても、管理会社・サブリース会社がその家賃を大家さんであるあなたに、支払いますよ、だから安心ですよ」という仕組みです。
でも、ちょっと待ってください。
これには当然、リスクがあります。それは、家賃は保証されるが、その家賃は、最初の家賃の額のままではない可能性がある、ということです。
どういうことか?
つまり、家賃は本来の8割・9割くらいに抑えられている(差分が管理会社などの利益になる)上に、建物の老朽化や、経済状況などによって、徐々に家賃額が下がる可能性がある、ということです。
すなわち、大家さんの取り分が減ります。
最悪の場合、毎月の融資返済額を下回り、赤字が続くこともあります。
不動産のプロの投資方法
それでも、不動産投資で成功している人もいます。
何かコツはあるのでしょうか? 知人に不動産業界で働きつつ、ご自身も不動産投資をされているXさんがいますので、そのあたりを取材してみました。
Q:どんなのを買うのですか?
A:ファミリー向けの物件です。
Q:ファミリー向けよりも、単身向けの方が良いのでは?
不動産関連のチラシ(物件案内)もそう言うのが多いですが?
A:単身向けは回転率が高く、早く引っ越してしまいます。
すると、その分、壁紙の張替費用などが頻繁に発生して、
利益を食いつぶしてしまいます。
また、すぐに空室が埋まるとは限りません。(空室リスク)
そのため、一度入居されると出て行きにくいファミリー向けの方が安定しやすいです。
Q:ファミリー向けの物件は新築を買うのですか?
A:新築は買いません。
費用と収益のバランスを考えると、新築は割に合いません。
Q:なるほど。中古の方が採算が取りやすいのですね。
買う時は借入金・融資ですか?
A:はい。融資です。
ある程度の会社員などの信頼が厚い人には低金利で融資を受けさせてくれます。
その利率と、実質的な賃貸利回りとの差額を計算し、
プラスであれば成り立ちます。
※例:賃貸利回りが4%―融資利息2%=差額プラス2%の利回り
Q:中古物件だと相場が良くわかりません。
高値つかみをしたり、不良物件を買ってしまいそうで怖いです。
A:そこは素人の方には分かりにくいですね。
私は不動産業なので相場が良くわかります。
Q:なるほど、素人だと心配ですね。
常日頃から、相場を肌で感じているのですね。
どうやって、お買い得な物件を探すのですか?
A:事前に不動産屋さんに条件を伝えておきます。
すると、市場に情報が出回る前に教えてくれます。
そこで条件が合えば買います。
Q:いつ買ってもいいのですか?
A:いいえ、経済の状況を見極めながら買うことが大事です。
※経済状況によって、利回りや家賃、物件価格が変動するため
Q:利益は出ていますか?
A:トータルでは、やはり、最終的に売ってみるまで分かりません。
※表面的な利回りがプラスでも、物件の価格変動があるので、物件を処分しなければ真に利益が出ているとは断言できない。
例:物件を3000万円で購入、利益が2500万円出たが、売却時に500万円だと、収支はプラスマイナスゼロになる。
不動産投資のリスクを把握しよう
他にも、現物不動産にはデメリットがたくさんあります。
あらかじめ、上記のリスクを考慮した上で投資するかしないかを判断しましょう。
不動産の表面利回りはどうやって計算するの?
さて、気になる不動産があった場合、
どのようにして利回りを計算すべきでしょうか?
↓の計算式をご覧ください。
例えばこんな感じです。
- 毎月の家賃収入が8万円の物件があるとします。
- 年間家賃収入は96万円です。
- 価格は3000万円です。
- 96÷3000×100=表面利回り3・2%
不動産投資には経費がかかります
ただし、上記の利回りはあくまでも表面利回りです。
ここから、修繕費や固定資産税などの各種税金や経費が取られます。
もちろん、融資を受けている場合は、利息も支払わなければなりません。
下に購入時と購入後の経費の一例をまとめています。
現物以外の不動産投資
余談ではありますが、不動産投資は現物以外でもできます。
現物というのは、実際にマンションやアパートを所有すること。
デメリットとしては、高額な資金が必要になり、
通常の人にはハードルが高い点です。
少額でも不動産に投資する方法がないでしょうか?
そこで選択肢に挙がるのが、REIT、リートです。
リートは
リアル・エステート・インベストメント・トラストのこと。
直訳すると、不動産投資信託です。
次の図のような仕組みになっています。
簡単に言いますと、
不動産をみんなでお金を出し合って買いましょう。
収益はみんなで分けましょう。
という仕組みです。
モノにもよりますが、1万円前後から投資できるものもあります。
まとめ:モチは餅屋
- 不動産投資には専門性がある程度求められる
いかがでしたでしょうか。
不動産のプロからお話を聞いていて
私自身、目からウロコの気分で取材をしていました。
※私の専門はインデックス投資と呼ばれるものです。
(これは景気の流れに沿って行う合理的な投資方法です。
簡単に言うと、世界は成長をつづけているから、世界中の経済指標そのものに投資する
というものです)
難しいといわれる不動産投資ですが、専門的な知識があれば、ある程度はリスクを減らせるようです。
反対に言うと、素人があやふやな知識で参入するのはやはり、怖い、気がします。
あなたはいかがお考えですか?